【書評】世界一を目指さなければ面白くない

カルチャー
本書は、自分の好きなことや強みをいかして仕事を作り出した著者の戦略とその情熱について書かれたものである。本書を読むことにより、好きなことだけで生きていくための方法がわかる。

また本書は、著者が所属するオンラインサロン箕輪編集室のメンバーの協力により作られた。きっと多くのメンバーの熱い思いにより、出来上がったに違いない。オンラインサロンならではの面白い取り組みだ。

著者は子供の頃からボードゲームに魅せられ、何百個もコレクションするほど夢中になっていた。その魅力を多くの人に伝えたいという思いから、各イベントや人が集まる場所へ出向き、その面白さを伝えていった。その数なんと5000人。その様な地道な活動により、二度にわたるクラウドファンディングの成功へと繋がっていった。

当初は「好き」なものを仕事にできるとは思わず、紆余曲折していたと言う。そんなことができるのは、一握りの限られた人。平凡な暮らしをし、何のコネもない著者にはとても想像もできない世界だったようだ。

しかし、知人の経営者に言われた「なぜ世界一を目指さないの?」という言葉に刺激され、一度はあきらめて就職したものの、ボードゲームに対する著者の情熱は冷めることはなかった。

著者は自分の好きなことで「ボードゲームソムリエ」という世の中にはない職業を自ら作り出し、スティーブン・R・コーヴィ氏の『7つの習慣』のボードゲーム化の制作に携わることになったが、そこには著者ならではの影ながらの努力があった。

趣味を仕事にしたいと考えた著者であったが、競争相手の少ないブルーオーシャンでさえも、後々レッドオーシャンになる可能性があると考え、そもそも競争相手が誰もいない「ブラックオーシャン」を目指した。それが著者の考えた戦略だ。

本書を読んでいると著者のボードゲームに対する熱い思いがひしひしと伝わってくる。そして、本書を読み終わる頃には、素敵な世界観のある、またビジネスの面白さが伝わるボードゲームをやってみたいと思えてきた一冊である。 

戦略と情熱で仕事をつくる 自分の強みを見つけて自由に生きる技術

作者: 松永直樹
出版社/メーカー: ダイヤモンド社
発売日: 2019/07/25
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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