自分から売り込まない 人生100年時代に小さく始める大人の週末起業

キャリア
人生100年時代、定年後に少しでも自分で稼ぐ力をつけておきたいと考え始めている人は多いのかもしれません。とはいえ、何をどう始めたらいいのかがわからないという一面もあることでしょう。

藤井孝一著『大人の週末起業』より、大人が始めるにあたって知っておきたい週末起業の考え方をご紹介します。

人生100年時代の週末起業

定年は、倒産やリストラと違って、いずれ誰もが直面する問題だからです。他人事でいられる人はいないのです。そして、準備は早いほうがいいのです。

007ページより引用

経営コンサルタント(中小企業診断士)であり、株式会社アンテレクト取締役会長を務めている著者。大手金融会社で営業・マーケティングを担当するかたわら、中小企業と起業家の活動をサポートする活動を3年間行った後に独立。「在職中からお金をかけず、低リスクで始める起業スタイル」を「週末起業」と名付けて、その普及に尽力してきました。

著者が週末起業について提唱を始めたのは、実に20年前のことです。当時、起業といえば、清水の舞台から飛び降りる覚悟で会社を辞めて始めるものという認識が、世間一般的であったようです。現在、週末起業は決して珍しいものではなくなってきています。

しかし、新しい課題が出てきました。人生100年時代において、自力で稼ぐ力を身につけておかないと食べていけないということ。定年を迎えて会社を辞めても自力で稼げるように、会社にいるうちから自分のビジネスを作っておく必要が出てきたのです。

人生の後半もあらゆる意味で豊かに生きていけるように、その方法を知っておきたいものです。

小さなビジネスから始める

その力を身につけるには、自分のビジネスを始めてしまうことをお勧めします。自力で稼ぐ力を身につけるには、実地で試行錯誤しながら訓練することが一番だからです。

072ページより引用

どんなに本を読みセミナーに参加しても、本物の稼ぐ力は身につかないと著者はいいます。力をつけるためには、少額であっても会社の肩書に頼らずに自分の手で実際にお金を稼いでみること。そこで、初めて使いものになる稼ぐ力がつくのだとか。

起業というと大ごとになりそうな印象を受けがちですが、個人事業主やフリーランスとして、小さく自分一人で始めるビジネスで十分だといいます。

そして、それほど稼がなくていい。定年後の家計は、年金収入を柱として足りない分を自分の稼ぎで補填するということであれば、年100万円も稼ぐことができればいいということになります。もし、まったく働かないでいたとしたら、退職金や蓄えから100万円を取り崩すことになります。比較したら、その違いは大きいものです。

そして、できるだけお金がかからないことをすべきなのだとか。中高年には再起に使える時間が短い分、失敗が許されない一面があります。個人が自分のできる範囲で守って、拡大を考えず、借り入れをしないですむ規模であれば、リスクを小さくすることができるようです。

著者が勧めるのは、これまでの経験や知識を活かしたコンサルタントやビジネスコーチ。執筆や講演、困っている人の相談に乗るなど、今までしてきたことや持っている資格が活かされる内容から始めてみると良さそうです。

大人の週末起業は売り込まない

大人の週末起業は、原則として自分の知識を活かしたスペシャリストになることが推奨されていますが、顧客獲得の方法としてこんな注意点が挙げられています。それは、自分から売り込まないということ。

売り込んだ途端に、相手からスペシャリストではなく営業マンとみなされて逆効果になってしまうからです。売り込むのではなく、呼び込むという考え方が大事であるのだとか。

具体的な手立てとしては、ホームページ、ブログやメルマガ等の自分メディアで情報発信をし、セミナーを開催する。勉強会やオフ会という形でもいいので、人を集めてみるのが大事であるといいます。

大人ならではの週末起業、まずどんなことができそうなのか考えていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

タイトル:大人の週末起業
著者:藤井孝一
発行:クロスメディア・パブリッシング
定価:1480円(税抜)

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