フェイクニュースに踊らされない!情報見極めの達人になる方法

「額歴」がぐんぐん上がる経済ホットレ
「情報収集」が苦手、何を根拠にするべきか、と悩む方が多いようです。膨大な情報の中からインプットすべき情報とは何なのか。何が嘘で、真実なのか。豊かな人生を送るためには、欠かせない情報を見極めるヒントを伝えます。
2018.5.11
私は、お客さんとバーに座ったシチュエーションで、つまりホワイトボードも、ノートも、資料も、PCも何もない状況で、「あれはどういうことなの」と質問されたときに「それはこういうことです」と、きちっと端的に答えることができれば、商売がうまくいくということを実体験として持っていました。ビジネスパーソンが俗に言う「カウンタートーク」ですね。
いろいろな情報を持っていて、正確に伝えることは、とても大事です。私はそれをずっと意識しており、いまや情報収集が趣味になっています。
これから、情報収集の基本をお伝えします。

一次情報、二次情報、三次情報に分ける

一番重要なことは、情報を一次情報、二次情報、三次情報に分けるということです。
一次情報は何かというと、
・経済指標
・官公庁から出るもの
・企業が出す適時開示
・議会証言
こういったものが一次情報と言われています。ここがポイントなんですが、一次情報とは、その内容に嘘があった場合には、いわゆる法的な拘束力を囚われるもの。
つまり嘘をついたら犯罪となる状況に、ほぼ嘘は生じないと思っていいです。ですから、唯一そのまま「鵜呑みにしていい」というのが一次情報になります。
次に、二次情報というのは
・記者発表
・プレスリリース
・新聞
新聞記者は、一応嘘を記事にしてはいけないという社内ルールと倫理規定がありますが、それでも意図的に情報操作をすることは可能なので、二次情報に区分けします。
例えば記者発表などでは、自分に都合のいいことばかりを発言しているということがあります。大きな会社の立派な社長が言ってるから、本当ぽいと思っても、実は恣意的な情報を流している可能性もあります。
そのため、一次情報よりも少し信頼性、信憑性が低いものを二次情報といいます。新聞やプレスリリースや記者会見は「本物の情報」っぽく感じてしまうのが人間の習性だと思いますが、でも一次情報とは違うんだというのを知っておくだけでも、ぐっと情報を正しく捉える力がつくと思います。
そして三次情報が伝聞、評論、推測記事です。例えば「なになにとされてる」とか「なになにと見られる」、あとは「ある市場関係者によると」、あとは「ある関係筋によると」という文章、よく見ると思います。これは自分たちも確証を持ってなくて、人の情報を又聞きにして伝えています。これを第三次情報と言っています。
この情報は当然ながら一次情報、二次情報よりも情報の信憑性が圧倒的に低いので、まず何かを聞いたり読んだりするときには、一次情報、二次情報、三次情報があるんだというふうに考えてほしいと思います。

良質な情報をインプットするコツ

できれば、一次情報を提供する友達を5,6人見つけましょう。お医者さん、官庁の友達とか、弁護士さんでもいいです。ネットの無料弁護士相談室で聞くよりも直接弁護士さんに聞いたほうが間違いないので、一次情報に近い情報を貰える人を見つけることがとても大事なのかなと思っています。
興味ある情報に接したら、一次情報、二次情報、三次情報をきちんと分けます。また、一次情報はできるだけ保管、記録として残します。なぜならば古くても使える情報になるからです。例えば1992年に郵便局の定期貯金の金利が8.10%というのは、これからの10年後も25年後も絶対使えるので、インプットし続けます。私の保存法は、携帯で写真を撮ってからその後ノートに書き写す、ですね。
インプットする情報収集の範囲を、最初のうちは広げすぎないほうがいいと思います。広げすぎるとパンクしちゃうので、2、3個得意分野を絞ってインプットする。例えば経済と芸能とか、スポーツと政治とか、そういうふうに分けてインプットしたほうがいいかなと思っています。

異常値を見つけるために「教科書通り」が大切

経済のことなら、教科書通りやれるかどうかというのはとても大事です。例えばGDPが上がったら普通は株価が上がるということを、自分のための教科書とします。
さて、ある朝のニュースで、GDPが上がったと言っているのに、なぜか株価が下がったら、「教科書と違う。何かおかしいな」と気が付きますよね。そう、教科書を一通り作りインプットしておけば、違うときだけ反応すればよくなり効率がすごくいいんです。
例えば、自分の体温が36.7℃だと知っていたら、37.2℃なったら風邪気味かなぁと気が付きますよね。
でも自分の平温を知らない人が37度2分の体温を知ったときに、これちょっと違うなと気付かないんです。つまり基準となるものや数字をインプットすることによって、教科書通りとか、平時や平温と違う、ということが分かるようになるわけです。
インプットの大事な目的は、自分の中でモノサシをきっちりと設定することです。ただの物知りになってはいけません。
そして、最後に大切なことは、インプットした情報はアウトプットすること。そのときは、出来るだけ一次情報を元にしてアウトプットしてください。うっかり詳しい人に語ってコテンパンにされていくうちに、情報の使い方、基礎力が磨かれていきます。

渋谷 豊

ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研) 代表、ファイナンシャルアカデミー取締役

シティバンク、ソシエテ・ジェネラルのプライベートバンク部門で約13年に渡り富裕層向けサービスを経験し、独立系の資産運用会社で約2年間、資産運用業務に携わる。現在は、ファイナンシャルアカデミーで取締役を務める傍ら、富裕層向けサービスと海外勤務の経験などを活かした、グルーバル経済に関する分析・情報の発信や様々なコンサルティング・アドバイスを行っている。慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所 http://fagri.jp/
ファイナンシャルアカデミー http://www.f-academy.jp/

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