2018年12月12日 更新

AI スピーカーに対する振る舞いがあなたの本性を暴露する

アレクサに対して怒鳴る人をあなたはどう感じますか。 AI スピーカーの開発が進んで会話が人間らしくなったことで、身近なAI に対する言動がその人の本性だと見なされる時代が来つつあります。そう、店員に対する振る舞いがその人の性格を暴露するのと同じように。

2018.12.12

AI スピーカーでできることと主な使い方

通称「AI スピーカー」の呼び名で知られるスマートスピーカーの普及率が、年々高まっています。アドビが米国の成人1,000 人を対象に行った今年8 月の調査では、約3 分の1 の人々が実際にAI スピーカーを保有していることがわかり、2018 年末までに50%に達するだろうと発表しました。また、アクセンチュアの報告によれば、2017 年時点の日本での普及率は8%で19 カ国中12 位と低い水準ではありますが、今後一般家庭への普及が進むと予測されています。
AI スピーカーの魅力は、まずその手軽さ。音声アシスタントに自分の声で話しかけるだけで使えます。アドビの調査によれば、保有者の約半数がボイスで商品検索を行い、43%の人がAI スピーカーに買い物リストを作成させていました。商品価格の比較、店舗の場所検索、配達依頼、注文状況の確認、ニュースの読み上げなど、細かなタスクもボイスで指示できてしまいます。
しかし、ボイスを使って指示するという行為が、使う人の人間性を変化させたり、「裏の顔」を暴露してしまうことが明らかになってきました。AI スピーカー相手だと豹変してしまう人物を目撃したひとりが、ジャーナリストのレイチェル・ウィザーズ。恋人がアレクサに怒鳴る光景を見たウィザーズは、「アレクサは人間ではないが、私たちとアレクサの関わりは人間的だ」として、「スマートスピーカー利用のエチケット」を問題にしています。

AI スピーカー利用の問題点と子ども達

アメリカのナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)が発表した2018 年の調査では、AI スピーカーを所有している人のうち、73%の人が子どもにも使わせていることが明らかになりました。では、子ども達がAI スピーカーを何に使っているのかを見てみましょう。
・音楽を聴く・・・55%
・調べものをする・・・44%
・ゲームで遊ぶ・・・28%
・宿題に使う・・・25%
・タイマーやアラームをセットする・・・25%
・照明や家電品を操作する・・・14%
調査からわかるのは、子ども達による使い方は大人の私たちと大差ないということ。私たち大人に生じる問題は子ども達にも生じ、むしろ経験の浅い子どものほうがAI スピーカーとの関わりからより大きな影響を受けるのではないかという懸念すら生じるのです。
AI スピーカーは、横柄な態度で接しても怒りません。そのため、親がAI スピーカーをどう扱って
いるかが子どもの使い方にも影響を与えます。親が乱暴な口調で「命令」していれば、子どもも同じ仕方で「命令」するでしょうし、子どもの振る舞いを見た親が「まあ人間じゃないし、いいか」と受け流してしまえば、直される機会も失うことになります。実際、AI スピーカーの普及が進むアメリカでは音声アシスタントが子ども達の「依頼の仕方」に悪影響を与えていると問題になっているのです。

AI スピーカー利用のエチケットとは

21 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

ブロックチェーン、AIで先行くエストニア!「つまらなくない未来」の作り方

ブロックチェーン、AIで先行くエストニア!「つまらなくない未来」の作り方

欧州バルト三国の一国として知られる「エストニア」について紹介した本。と言っても、観光情報を紹介するのではなく、今この国が世界の注目を集めている“あるモノ”についての貴重な現地レポートです。
富裕層の資産運用の世界的トレンドは?仮想通貨投資とIT活用に注目

富裕層の資産運用の世界的トレンドは?仮想通貨投資とIT活用に注目

富裕層による資産運用の世界的トレンドは、現在どのようになっているのでしょうか。日本では超低金利が続き、資産運用のポートフォリオにも頭を悩ませる方が少なくないはずです。今、世界の富裕層が何に注目して資産運用を行い、高いパフォーマンスを叩き出しているのか、参考になることもありそうです。
AIは日常風景へ。暮らしの中のAIから森ビルの実証実験まで

AIは日常風景へ。暮らしの中のAIから森ビルの実証実験まで

AIなんて遠い世界のことだと思っていませんか。AIを活用した機能やサービスは世界中で広まっており、私たちの普段の生活の意外なところでAI技術が使われています。森ビル株式会社が行う実証実験も日本のAI時代を切り拓く一つの鍵となりそうです。
「天才」と「AI時代人材」の育て方がわかる!落合陽一の教育本

「天才」と「AI時代人材」の育て方がわかる!落合陽一の教育本

筑波大学准教授、経営者、メディアアーティストと多方面に才を持つ落合陽一氏。 “触れて変形させられるプラズマ光”や「ピクシーダスト」という“音で物を浮かべる技術”は、STAGEでも紹介しました。そんな彼が「学び」について執筆。自身が受けた教育にも触れ話題になっています。
メルティンMMIが目指すヒトとサイボーグの未来とは

メルティンMMIが目指すヒトとサイボーグの未来とは

粕谷昌弘氏は、2018年「30 Under 30」で世界の注目すべきアジアの30人に選ばれました。「AIやロボットの先を行くサイボーグを研究開発しています」と語る粕谷氏は、サイボーグスタートアップとして設立された株式会社メルティンMMIのCEO。MMIはマン・マシン・インターフェースの略です。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS