2017年12月21日 更新

〈にしのあきひろ〉実はまだプロローグにすぎない―『えんとつ町のプペル』で僕が本当に伝えたいこと

「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」。 そんな、静かでありながら、刺激的なフレーズで始まる『えんとつ町のプペル』。制作期間4年半。総勢35人のクリエイターの「完全分業制」という常識破りのスタイルによってこの絵本はこの世に誕生した。

2017.7.11
お笑いコンビ「キングコング」として漫才をする傍ら、構想からクラウドファンディングによる資金集め、制作まで奔走したにしのあきひろさんに、『えんとつ町のプペル』の奥に込めた想いを語ってもらった。

■「現代社会」を伝えたかった

STAGE編集部:構想から世の中に送り出すまで4年半かかったとのことですが、にしのさんがストーリーを膨らませる中で「ここを一番伝えたい」と思っていたことはどんなことだったのでしょうか。
うーん、なんだろうなあ。伝えたかったこと。まぁでも今。現代社会でしょうね。
STAGE編集部:現代社会、ですか。
現代社会。要は夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる現代社会は辛い。今、上を向いたらえんとつ町は煙突だらけ。そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。朝から晩までモックモクで、えんとつ町に住む人は、青い空を知らないし、輝く星も知らない。つまり、空っていう概念がないから、街に住む人はみんな上を向くことをやめちゃうんです。上を見ても何もいいことがないので。

でも、そこに主人公のふたりが「あの煙の向うに何かあるんじゃないか」と言って上向いたら「あるわけねえじゃん」って、叩かれて、邪魔されて。まぁ、これはだから夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれるという現代社会を一回ファンタジーに落し込もうと思って、作った。そういうことですね。

■実はこれはプロローグにすぎないんです

STAGE編集部:「えんとつ町」という印象的な設定の着想はどこにあったんですか?
えーとえーと、これ、ちょっと複雑で。『えんとつ町のプペル』というやつはですね、2016年の11月に1回、絵本として出版したんですけど、本当はこれはまだプロローグなんですよ。
STAGE編集部:この絵本が、プロローグですか?
そう。お話はもっともっと長くて、これが全体の5分の1ぐらいなんですよ。その長いお話のプロローグをまず絵本として世に出したという。

えんとつ町って、三方崖に囲まれていて、一方が海という、まぁこういう立地の町なんですけど、海に出ることを禁止されてるんですね。でも、じゃあなんでえんとつ町の支配者が海に出ることを禁止したかっていうことは、絵本のなかでは語っていないんですよ。

■『えんとつ町のプペル』の本当のテーマは「お金」

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