2017.7.20
東京・目黒のビストロ「モルソー」のオーナーシェフ、秋元さくら。こだわりは、自分自身の目で選んだ旬の食材をシンプルに仕上げること。笑顔の絶えないフレンチビストロには、地元の目黒はもちろん、全国からファンが訪れる。
世界を飛び回るCAから一念発起、料理の道へ
STAGE編集部:現在の仕事につくまでのキャリアを教えてください。
大学を卒業した後は、航空会社に就職し、国際線のCAをしていました。世界各国を訪れて、さまざまな食文化に触れるうちに、料理への興味がどんどん高まってきて、CAを退職して調理師学校に入学したんです。
STAGE編集部:しかし、いくら料理が好きでも、プロになろうという人は多くはありません。何か特別な想いがあったんですか?
プロの料理人になろうと決意したのは、ソムリエの主人がきっかけです。主人とはCA時代に出会って結婚したんですが、新婚のときに、私が作ったオムライスを「美味しい、美味しい」と、大喜びしながら食べてくれたんですね。その後も料理を作るたびに、とても喜んでくれました。そのとき、「ああ、料理は人をこんなにも笑顔にできる素晴らしいものなんだなあ」と感動したんです。
STAGE編集部:「人を笑顔に」。そこから料理への道を志したんですね。
はい。もともと昔から人が大好きで、誰かの笑顔を見るのが幸せなんです。だから、学生時代の就職活動のときも、人を笑顔にできるサービス業を極めようと思って、いろいろな職種の会社を受けました。そしてたまたま採用されたのがCAだったんですよ。その後、CAをやめて料理人になろうと決めたときも、「よく考えたら、自分の仕事でお客様を笑顔にするという点では、CAも料理人も同じじゃないか」と思いました。
STAGE編集部:しかし、料理人を志したのは20代半ば。料理の修行を始めるには、決して早いとはいえません。
その通りです。でも、私はこうと決めたら、とにかくがむしゃらに前進するタイプなんです(笑)。たとえ人より遅かったとしても、その分何倍もがんばって、自分なりの最短距離を進めばいいと考えました。調理師学校を卒業した後は、新宿の「モンドカフェ」、白金の「オー・ギャマン・ド・トキオ」で修業させていただきました。
STAGE編集部:修業はつらくなかったですか?