2019年8月2日 更新

起業家を助ける「エンジェル投資家」はどこにいる?探し方や注意点は

資金を出して起業志望者を手助けする「エンジェル投資家」はどこにいるのでしょうか?どこを探せば見つかるのでしょうか?もし見つかって「資金を出すよ」と言われても、それが本当に信用できる人物なのかどうか、どう判断すればいいのでしょうか?

・起業セミナーや起業塾への参加
高い費用がかかりますが、講師のコネクションでエンジェル投資家を紹介される〃特典〃がつくこともあります。ただし、事業計画や人柄や能力が講師の選別にかけられます。
・起業コンテストに応募する
「ピッチコンテスト」ともいい、審査員の前で事業計画を発表して熱意を訴えます。かつて、起業の先輩の「マネーの虎」のお眼鏡にかなえばエンジェル投資家として資金を出してくれるというテレビ番組がありました。
・マッチングサイトの利用
ネット上で起業志望者とエンジェル投資家のマッチング(出会い)の場を設けています。無料のものも有料のものもあります。婚活サイトと同じで、出会いの後で関係が発展するかどうかは本人の熱意と努力次第です。
・クラウドファンディングの利用
これは事業計画をネット上で公開して、ダイレクトに「出資者募集」をかけて資金を集めるやり方です。エンジェル投資家ではない普通の人から数万円単位の応援資金を集めることもできますが、合計で数百万円のような多額の資金集めはあまり期待できませんし、集まらなければあきらめるしかありません。

こんなエンジェル投資家は敬遠したほうが

エンジェル投資家も人間ですから、いろいろなタイプの人がいます。起業志望者との相性が良い、悪いはもちろんありますが、「起業支援で社会貢献すると言うなど、会ってみて尊敬できるような人柄」「投資の実績があり、周囲やネット上の評価が高い」「自分が起業する分野に関心、理解がある」「出資だけでなく経営について的確なアドバイスをしてくれる」のなら、理想に近いと言えます。
しかし、たとえばこんなエンジェル投資家は敬遠したほうが身のためでしょう。
・過度な要求
経営への口出しは「程度問題」です。ここを越えたら「"軍師"からの的確なアドバイス」が「過度な干渉」に変わる境界線ははっきりしません。逆に、昔のお殿様のような「カネは出すが口は出さない」という放任主義は、また違った意味で問題があります。
たとえば能力的に疑問がある人物の採用を押しつけてきたり、取引での優先的な取り扱いを約束させたり、特定の商品を半ば強制的に買わせるようなら、出資の見返りにしてはその要求はやりすぎでしょう。独占禁止法に触れることもあります。
・経歴、資金の出所が不明確
本名を名乗らないとか、学歴や職歴や投資先を隠す、資金の出所がはっきりしないのは、最近の吉本興業の事件で問題になった「反社会的集団」がスポンサーについているのではないかという疑問を抱かせます。話し合い、お互い情報を十分に公開しあえるかどうか確認してください。特にマッチングサイトなどネット上のつながりには注意してください。現実に手数料をせしめて"消える"など、出資をエサにした詐欺事件も起きています。

寺尾淳(Jun Terao)

本名同じ。経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、現在は「ビジネス+IT」(SBクリエイティブ)などネットメディアを中心に経済・経営、株式投資等に関する執筆活動を続けている。
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