2019.6.20
お金持ち社長が車を買わない理由は節税対策?
一部の方はご存じですが、中小企業のお金持ちオーナー社長の場合、4年落ち中古車に好んで乗っているケースが多々あるものです。しかも、儲かっている会社の社長ほど、車を頻繁に乗り換えているようにも見受けますね。これはなぜでしょうか。結論から言えば、会社の「節税対策」になることが第一の理由です。基本的に、お金持ちのオーナー社長がMercedesやBMW、レクサスなどの高級車を会社名義で購入している場合、多くのケースで節税目的と看做して差し支えありません。
ざっくりした感覚として、経営する会社に1,500万円の利益が残ったとすると、何も手を打たなければ、3分の1近い450万円前後を法人税その他税金として納めることになります。しかし、車を会社名義で購入したとすれば、車の購入代金を経費計上できますので、会社の利益を大幅に圧縮して節税が可能になるのですね。例えば、1,500万円の利益が当期残りそうだと分かったら、1,000万円で4年落ちの高級中古車を購入してしまうのです。
このようにすれば、270万円前後の法人税その他税金の負担となり、おおよそ4割も節税できてしまいます。会社名義で車を購入することは、極めて効果的な「節税対策」として機能するのです。会社の経費で自分の好みの高級車を購入して公私にわたり使えることは、中小企業のお金持ちオーナー社長ならではの「ある種の特権」とも言えますね。大手企業に一般的な、雇われの身の「サラリーマン社長」の場合は、会社が用意した運転手付き送迎車で我慢する他ありません。
お金持ち社長は4年落ち中古車を愛する?
会社が当該年度に大きく利益を上げて車を購入したとしても、全ての購入代金を経費計上することは不可能です。言わずもがな、税金逃れができないように、国サイドもシッカリと対策をしているためですね。車の購入代金を会社の経費として落とすためには、会計処理上、減価償却費としての計上が必須となります。減価償却率は法律で定められており、普通乗用車の耐用年数は新車なら6年、1年落ち中古車なら5年、2年落ち中古車なら4年、3年落ち中古車なら3年、そして4年落ち以降の中古車ならば全て2年です。
ここから、4年落ち中古車を社用車として購入することが、会社の経理上、最も効果的な節税になるのですね。しかも、減価償却時の耐用年数は資産の種類ごとに定められており、購入価格とは無関係なのです。つまり、Rolls-RoyceもMercedesもHONDAもTOYOTAも、車としての耐用年数は同じなのです。従って、会社の利益が多く残っているのであれば、なるべく高額の車を会社名義で購入した方が、より多くの経費を計上ができ、会社にとってより有利な節税対策が打てることになります。
例を挙げると、新車で1,000万円するMercedesを購入すれば、6年間にわたり1年に167万円ずつ経費計上することになります。しかし、4年落ち中古車で1,000万円のMercedesの上級グレードを選べば、2年間にわたり1年で500万円ずつの経費計上が可能となるのですね。日本は、残念ながら法人税率も高い国です(一般的な中小企業の法人実効税率は、所得が年800万円超の場合で最高34%弱にもなる)。お金持ちのオーナー社長が、4年落ち中古の高級車を愛用している理由がここにあります。
お金持ち社長は車でリスクヘッジを考える?
お金持ちのオーナー社長は、4年落ち中古車で、MercedesやBMW、レクサスなどの高級車を会社名義で購入しているケースが多いです。しかも、4ドアセダンで、ボディの色はブラック、濃紺、シルバーなど地味めが人気です。これには、「節税対策」以外にもう一つの理由があり、「将来に備えたリスクヘッジ」がそれです。ドイツ車や日本車の高級車は、上で触れた法定耐用年数が過ぎたとしても、資産価値が比較的大きく残る傾向にあります。