2017年10月28日 更新

日本でも話題! 民泊マッチングの「Airbnb」はなぜ世界一になれたのか

2016年の新語・流行語大賞にノミネートした「民泊」。個人や企業が空き部屋を旅行者などに貸し出すシステムは広く知られていると思いますが、その民泊を代表する企業といえば「Airbnb(エアービーアンドビー)」。書籍『Airbnb Story』から、2020年の東京五輪に向けて間違いなく注目度が高まるであろう企業の誕生秘話に迫ります。

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「Airbnb」は、空き部屋を貸したい人と宿泊先を探している旅人をつなぐ世界的企業(ウェブサイト)。2008年にアメリカで誕生すると着実に利用者を増やし続け、2017年現在の企業価値はなんと3兆円にもなると言われています。
今やクリミア半島、イラン、スーダン、シリア、北朝鮮を除くすべての国、世界65,000都市に民泊できる家を紹介しているAirbnb(エアービーアンドビー)。まだ規制をかけている日本でも2015年には年間130万人だった利用者が、2016年には300万人を超えたそうで……その伸び率は驚異の230%!
旅行業界で「エアビー現象」とも言われる旋風を巻き起こす大注目株はいかにして誕生し、利用者世界一に登りつめたのか。その物語のすべてを記録したのが、この本『Airbnb Story』。アメリカ最大の経済誌「フォーチュン」のアシスタント・マネジング・ディレクターで、CBSやCNNでもコメンテーターを務めるリー・ギャラガー氏による骨太なノンフィクションです。

Airbnbのスタートは、創業者の自宅アパート

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Airbnbが誕生したのはアメリカ、サンフランシスコ。
創業者はブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアという名前の2人の青年でした。2008年当時、無職に近い状態だった彼らはアパートをシェアして生活していましたが、家賃の支払いは滞納寸前。貯金の1,000ドルも間もなく底をつくような状態。そんな時、ある噂を聞きつけるのです。「サンフランシスコで大きなイベントがあって、ホテルが足りなくなるらしい……」
とにかく緊急で来月の家賃が必要な2人は、そこで考えます。自分たちの部屋の一部を一泊80ドルで彼らに貸すことができれば家賃が払える。この思い付きを実行すべく、すぐに自宅を大掃除。足りないベッドはクローゼットにしまっていたエアーベッドを引っ張り出して用意。簡易な予約サイトを作ると、2人はイベントの主催者に掛け合い自分たちのサイトを紹介してもらう約束を取り付けます。
結果的はイベント期間中すべて満室! イベント主催者はホテルが足らずに来場をあきらめるお客さんを減らせるし、お客さんも宿泊先が見つかって一安心(しかも相場よりかなり安い)。2人は逆境を乗り越え家賃の確保に成功します。そして、このサービスを他の人にも利用してもらえば、自分たちが儲かるビジネスモデルになると確信をするのです。
これがAirbnb誕生のきっかけ。ちなみに、この時2人がサービスとして用意したエアーベッドと朝食(ブレックファースト)が、エアーベッドandブレックファースト。つまり「エアービーアンドビー」という社名の由来になったのだといいます。まさに追い詰められた若者のアイデアが、今や世界の旅行業界を変えるほどのインパクトを与えている。なんともドラマチックな話ではありませんか。

苦難! まったく利用者が増えない

自宅アパートを使った民泊に成功した後、2人はエンジニアのネイサン・ブレチャージクを迎え入れ、本格的に民泊ビジネスを加速させる態勢を整えます。しかし、彼らの意に反していきなり大ピンチをむかえます。原因は圧倒的な供給不足。宿を登録してくれる人がほとんど現れなかったのです。再び2人の運営資金は底をつき、ついには借金まで背負ってしまいます。
そんなお先真っ暗な中、彼らはシリコンバレーの伝説的なベンチャーキャピタルの創業者、ポール・グレアムにアドバイスを乞います。様々な若手起業家を見てきた彼のアドバイスは、たった一言。「こんなところで何ぐずぐずしてるんだ? ユーザーのところに行け!」というもの。意味もわからぬままユーザーに会いに行った彼らですが、そこでサービスの弱点に気づかされます。
その中のひとつは、サイトに載せる部屋の写真がうまく撮れず予約が来ないというもの。そこで彼らはプロのカメラマンを雇い、部屋の写真を美しく撮る無料のサービスを提供するなどして問題をひとつずつ解決。同時に飛び込み営業をして、徐々に「自分の部屋を貸してもいい」という利用者を増やすことに成功したのです。

その後は日本でも話題になるほどSNSのパワーが彼らを後押し。ネット上には「いつか泊まってみたいAirbnbの宿」などの紹介記事などが登場し、レビュー記事も充実し始めたそうです。普通のホテルに宿泊したのでは得られることのない体験や、宿の提供者との交流も魅力的な旅は世界中で受け入れられました。
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