2017年12月20日 更新

〈遠山正道〉いっちょう、皆でやりきろう。

「お金とは、払うためにあるもの、と思いたいw(遠山正道)」

2016.4.25
時代が欲している「価値」を創り出すビジネスは、どうすれば創り出せるのでしょうか。2016年2月3日に開催された、起業を志す人へ向けた講演の内容をダイジェストでお届けします。

■価値あるものに価値があり、価値ないものに価値がない

先日、『Soup Stock Tokyo』を分社化しました。新社長は「スープ事業だけが切り取られて、普通の「外食産業」になってしまうのではと心配されるかもしれない。本当にそうならないようにしようね。」と話していました(笑)。これからも、スープストックトーキョーは、私たちの企業理念である「世の中の体温を上げる」に向かっていきます。

「20世紀は経済の時代、21世紀は文化の時代」だと思います。需要と供給のバランスを考えると、20世紀は需要が十分に多い、ビジネス的には平和な時代でした。椅子とりゲームに例えるならば、椅子はたっぷりあり選び放題で、ゲームにもなりません。しかし今は、需要がすっかり落ちたのに供給はたくさんある状況です。椅子取りゲームならば、非常に多いプレーヤーで少ない椅子を争うというゲームを、落ち着く間もなく頻繁に繰り返しているようなイメージでしょう。
しかし、本当に価値を提供できていたならば、椅子取りゲームに参加しないでもよいのです。

ヴィーナスフォート立ち上げ時立ち上げたばかりの頃は 自ら店舗にも立った
「価値あるものに価値があり、価値ないものに価値がない」は、当たりすぎる日本語です。しかし、実際はどうでしょう。20世紀に、椅子が大量にある中でゲームをやってきた我々が、その当時に作ったもので、未だに当時のルールや感覚で、今のゲームをやっているのではないでしょうか。それではやはり無理がありますよね。

本当の価値というものを見るべきです。隣で牛丼が300円、コンビニでスープが100円で売られている中、『Soup Stock Tokyo』ではスープ一杯が630円もします。

安くしようとしたら、できることもあるでしょう。しかし、コストを下げて、価値は生まれるのでしょうか?価値も下がってしまっていないでしょうか?

創業当時のスマイルズのオフィス。すべてはここから始まった
ただ利益だけみて価値を下げてしまうことは、リスクでしかありません。価値を同等に、あるいは上げていかないと、気がついた時には、お客さまは居なくなるでしょう。価値という意識がないと、そうなってしまいます。

また、何が価値なのか、という価値観も様々あるでしょう。世の中にある一般的なリサイクルショップは、なるべく新品に近いものを「価値が高い」と評価するでしょう。しかし、『PASS THE BATON』は違います。3年前ではまだ新しすぎます。20年くらい経たないと、と。また、単純な年月ではなく、「いつ、どうやって使われたものなのか」が大事なのです。

■ビジネスの根っこは「やりたいこと」

私の事業はいずれも、利益が安定するまで8年くらいかかっています。「経営は下手」と話す所以です(笑)一般的なビジネスならば、3年くらいで撤退となるのでしょうが、そこで「いやいやいや!だって、まだ、あの景色を見てないから!」となだめすかしてきました。

事業の目的が「儲かるから」という理由であれば、儲からないと、事業を続けることができません。しかし、ビジネスは、儲からないこと、うまくいかないこと、失敗することがないということはありません。そのような時、もともとやりたいことでないと踏ん張りが利かないでしょう。また、たとえ失敗したとしても、自分で決めたことであれば、腹は立たないものです。

山登りするなら、どうせ苦労するのだから、前人未到であるとかそこに行かないと見られない美しい景色がある、といった、登りがいのある山がいいですよね。みんなで登っていると、辛いこともあるでしょうし、挫ける人も出てくるでしょう。そういう時に、「頑張って向こうの景色を一緒に見ようよ!決めたじゃない」と言えることが大事です。

登りがいのある山を見つけて、行こうよ、という。いわばそれが、「やりたいこと」です。
美意識であったり、譲れないものであったり、それは個人的なものであったり、熱病のようだったり。そういう言葉が当てはまるのではないかと思います。

■誰にでも、いつだって、価値はありうる

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