2017年12月20日 更新

〈遠山正道〉いっちょう、皆でやりきろう。

「お金とは、払うためにあるもの、と思いたいw(遠山正道)」

だから、自分が、何かやりたくて、やるべきことが見つかりさえすれば、あとは「やればいい」のです。

先が見えない未来のことをやるのは、誰もが怖いものです。先が見えないと恐れずに、頭から突っ込まないとできません。みんなそんな怖いことはできないから、行動を起こした人には、周りの人がリスペクトしてくれ、応援してくれます。また、アンテナを立てれば今までスルーしていた情報が引っかかってくるようになります。みんなのサポートと相まって、「次」につながるものです。私の場合も、20年前に個展を行ったことが、今に続いています。

また、合理的な説明ができない方がよいです。なぜなら、合理的な説明ができるものは、合理的な説明で打ち返されるものだから。その人が足で稼いできた話とか、誰かへの恩返しなんだ、といった、他の人にはない個人的な話であることが大事です。

「儲かりそう」や「格好よさそう」からスタートしていたら、今はないと思います。「儲かりそう」でスタートしていたら、儲からなくなった時に続けられなかったでしょう。「格好よさそう」で始めていたら、誰かの二番煎じのようになって、今の『Soup Stock Tokyo』は生まれなかったでしょう。

「誰かが言った」、「何とからしい」ではない、「自分がやりたいこと」。自分が誰かと出会ってしまった、何かを何かと繋げたいと思った、など、「だから、自分(たち)でやらないと」という必然性。そして周りを巻き込んでいくために必要な社会的な意義。これを加えることによって、これまでなかったという「価値」が生まれます。そういう事業ならば「自分たちの手で作った」というプライドも生まれるんです。

最後に、5年前に雑誌『Pen』に掲載された、社員に向けて書いた手紙を読み上げます。

画像はイメージです
おつかれさまです。
皆さん、元気ですか?
私は元気ですよ。

さて、私は焦っています。
リーマンショック以降、不景気なうちに、
早く、何か、次を仕込まなくては、と。

われわれみたいな小さな会社は、
とにかく不景気な時こそがチャンスです。
コストは抑えられ、人は集まる。

Soup Stock Tokyoも社内ベンチャーもPASS THE BATONも、
不景気だったから仕込むことができました。
景気がよければ、本業を粛々とやっていればいいのだから。

売るのは大変だけれども、売るのは景気が良くたって、
いつだって大変です。
むしろ不景気のほうが、消費が丁寧になって、
ちゃんと耳を傾けてくれる。

世の中、困っていることがあって、
その問題解決ができれば、それが価値です。
今、世の中困っていることだらけ。
悩みが価値に転換するキラめく瞬間が沢山眠っています。

復興とかじゃなくても、自分の周辺のことや興味あることで良い。
意義があって、だってそれが実現したら自分も世の中も嬉しいじゃないですか!
っていうもの。

自分も皆も不安なとき、そこで一歩踏み出す勇気が、
それが価値っていうんだと思います。

未来のことは神さまにしか分からない。
だから、誰でも新しいことをやるのは不安です。
だから、やった人に情報も人も信頼も集まってくるんです。

何か、やりたくてやるべきことが見つかるといいですね。
見つかれさえすれば、後はやればいいのだから。

ちゃんと良いと思った行動は、いつでも大変だけど、
あとで神さまがオマケをつけてくれることを、私は知っていますよ。

あ、これって、人ごとじゃなくて、誰かがやらなきゃ始まらない。
早く、誰か、不景気なうちに。
早く、誰か、皆が不安なうちに。
早く、誰か、はらを決めておくれ。

いっちょう、皆でやりきろう。

          スマイルズ 遠山 正道

  皆さん、へ。
「お金とは、払うためにあるもの、と思いたいw(遠山正道)」

株式会社スマイルズ代表 遠山正道さん

1962年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85年三菱商事株式会社入社。 2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。現在、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイブランド「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファミリーレストラン「100本のスプーン」を展開。 「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。近著に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるビジネスモデル-PASS THE BATONの軌跡』(弘文堂)がある。
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