2019年10月21日 更新

ラグビー日本代表が悲願のベスト8入で得たものは

2019年10月20日という日は、日本ラグビー界にとって間違いなく記憶される日になるでしょう。そうです、この日は、9回目のW杯出場で初の準々決勝。しかも、前回大会で勝利をしている南アフリカ戦。日本中の期待が高まりましたが、結果は善戦したものの3−26で敗れました。しかし、今回のベスト8入りで日本代表BRAVE BLOSSOMSは大きな財産を得ました。その財産とは。

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2019.10.21

決戦の日曜日

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ついに迎えた決戦の日。10月20日はラグビー日本代表の記念すべき初めての決勝トーナメント戦です。朝からNHKが日本代表の追跡ドキュメンタリーを放送するなど、静かにそして沸々と日本列島が試合開始の19時15分に向けて沸騰していくような一日でした。街中ですれ違う人たちもどこかそわそわしていたように感じましたのは、私だけでしょうか。私はあまりにも落ち着かないので、入場チケットは持っていないものの、とりあえず東京調布の味の素スタジアムに足を運んでみました。12時頃に到着したのですが、試合開始の7時間も前なのに両チームのジャージに身を包んだサポーターをチラホラと見かけました。南アフリカ応援団はさすがです。早速ビール片手で飛田給駅の近くの店先で盛り上がっていました。ところで私が感心したのは、NHKがドキュメンタリーを決勝トーナメント当日まで放映しなかったこと。日本代表が決勝進出を見越しての放送日程を決めたかと思うと「読みがさすがですなぁ〜」と一人で感動していました。
それはさておき、今回対戦する南アフリカは、ニュージーランド、イングランドなどと優勝候補に挙げられる強豪国です。とにかくフィジカルが強くてタフネス集団。FWの強さは世界屈指です。しかし戦前の予想は、そんな強豪国が相手でもJAPANには十分な勝算があるという声が多く聞かれました。
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それは、前回のW杯で南アフリカから劇的な勝利をおさめた実績があること、また、約一カ月前に開かれた9月6日のテストマッチ(日本VS南アフリカ)は、7対41で惨敗しているものの、「実は日本はこの日のために戦術を隠していた」などと日本の戦術隠し玉説などもあり、勝てるかもという雰囲気で徐々に満たされていきました。しかも、日本が一次リーグで格上のアイルランドとスコットランドを撃破したことで、南アフリカもプレッシャーを感じていたでしょうから十分に勝機はあったと思います。
しかし、そのような日本国民全員の期待や夢は、今回は残念ながら達成されませんでした。一戦一戦成長してくJAPANには、なにか無限の可能性を感じていただけに残念ですが、とても素晴らしい結果であると誰もが思っていることだと思います。

南アフリカに「最適確率」を見つけられ屈したJAPAN

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試合後の選手のコメントにあるように、今回の敗戦は、南アフリカが十分な日本対策を練り上げていたこと、そして、単純に南アフリカが強かったということだといえます。本日以降いろいろな分析が専門家から配信されるでしょう。ここではそのような専門的な分析はお任せすることにして、またもや果敢にも経済学的な切り口で南アフリカの勝因分析してみたいと思います。
私が感じた勝敗の分かれ目は、前半41分の南アフリカの攻撃にあったように思います。南アフリカは、マイボールのラインアウトを成功し、モールで少しずつ日本を押し込みます。モールから展開された南アフリカ攻撃陣はタックルを何度か受けながらトライに持ち込みました。しかし、一度タックルが完了したあとでボールをリリースしていないという判定で結果的にはノートライになり日本は命拾い。前半を3対5で終えたシーンがありました。専門用語が多く出てきましたが、ここでお伝えしたいのでは、南アフリカが「ラインアウトとモール」という戦略が対日本でまちがいなく有効だと確信したということです。おそらく南アフリカの選手は点数差以上に余裕ができたのではないかと思います。
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さて、経済的にこの瞬間を説明するとすれば、この一連の攻撃で南アフリカは「混合戦略における最適確率」を日本より先に見つけ出したということです。経済学の分野に「ゲーム理論」といういうものがありますが、これは、試合(ゲーム)を行う場合、相手の手の打ち方を読んで、できるだけ自分の得点を高くし、失点を少なくするにはどうするか、という方策を求める理論です。
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渋谷 豊 渋谷 豊