2008年リーマンショック
一番記憶に新しい2008年のリーマンショックです。アジア通貨危機後に世界経済は持ち直し1990年後半から2000年3月までIT企業への期待とともに株価は大きく上昇していきます。しかし、期待先行で実態をともなわなかった株価はもろくもくずれ、2000年の後半にかけてITバブル崩壊が起こってしまいました。その後、約3年近くの調整期間を経て再び景気は徐々に回復し2004年5月から2006年6月まで2年近く利上げが継続しました。
さて、約2年後の2008年にリーマンショックも起きてしまいます。偶然なのでしょうか。アジア危機とほぼ同じ金利引き上げ終了後から2年目での危機勃発です。リーマンショックの原因は様々ですが、サブプライムローンの崩壊、証券化商品の紙くず化は、金利が原因だったことは明らかです。今回は投資の過熱感を抑えるための金融政策がトリガーでした。
2018年の位置は?
さて、現在のアメリカは利上げの真っ最中です。2015年12月から開始した利上げは、2018年11月現在、2.00%~2.25%です。市場のコンセンサスは、2018年にさらに1回、2019年に3回、2020年に1回、2021年に0回になっています。これだけみると、いままでの危機からすると2021年から2年後の2023年に危機がやってくるという結論になりそうです。が、これで結論づけて良いのでしょうか。
残念ながらそれほど簡単ではなさそうです。実は、時代に合わせて「何でもトリガーのトリガーになりえる」のです。これまで見てきた通り、危機のトリガーは金利であることは事実です。私達は、いま現在抱えている世界経済の問題点を検証し「トリガーのトリガー」を探ることが大切なのです。例えば、
・アメリカが仕掛けた貿易戦争がますます激しくなる
この結果、アメリカでも関税の分だけ輸入品の価格が高くなり想定外のインフレが起こったとすればどうでしょうか。アメリカでは、上記のコンセンサスを上回る想定外の金利上昇を招き「アジア危機」や「リーマ
ンショック」が起きた時と同じように、今後、「新興国通貨危機」が訪れるかもしれません。
ンショック」が起きた時と同じように、今後、「新興国通貨危機」が訪れるかもしれません。
・欧州の利上げ
欧州中央銀行(ECB)は年内に量的緩和策の終了を予定しています。欧州の中心であるドイツはインフレを懸念していますが、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインなどは依然として経済は脆弱です。金利の上昇に耐えられる経済状態とは程遠いと思われます。まさに、「ブラックマンデー」と同じように、ドイツ(欧州)の利上げをきっかけに危機が訪れるかもしれません。
このように過去に起こった危機を振り返りながら、今の位置を確認することで正しい経済分析を行うことができるようになります。是非、リーマンショック10周年を利用して分析の秋を深めてみてはいかがでしょうか。
日米貿易協議で見えた米国中間選挙までの流れ
日米貿易協議がすごくあっさりした内容で終わりました。ただし、この中に米国の中間選挙までの流れを見通しヒントが隠されていました。今回は、内容を振り返りつつメインシナリオとサブシナリオを考えていきます。