2018.1.15
潜在リスク〜世界編〜
まずは、米国を抜きに世界経済を見通すことはできないと思います。とうことで、現時点の米国経済を確認してみると、正直好調そのものです。例えば失業率、有効求人数、設備投資、クリスマス商戦など多くの指標や数字でその好調さが裏付けされています。では、そのように好調な米国経済に潜在リスクはあるのでしょうか。
潜在リスクその1:米国の長期金利(10年以上)が市場予想を越えて上昇する
この記事を書いている2018年1月時点での金利は約2.5%。この金利が、2017年末に決まった大型減税の影響を受け予想以上に上昇し、例えば2.9%を越えてくるような事があれば、これは現在の市場が予測し織り込んでいる2.75%を越えてくることになり、結果、株価にマイナスの影響を与える可能性があります。そうなると、多くのアナリストの予想してる好調な株式市場のシナリオに大きな影響を与え、株価の調整があるかもしれません。
このようなリスクをみなさんが察する方法は、ずばり、米国の長期金利(10年以上)をコンスタントに確認してはいかがでしょうか。新聞でもインターネット検索でも簡単に確認できます。ちなみに、長期金利の想定外の上昇は企業の設備投資の意欲を減退させ、また、個人向けの住宅ローン、カーローンなどの需要が減ることからマイナスの影響が大きく、株式市場にも大きなマイナスの影響があることをこの機会に記憶しておいてください。
潜在リスクその2:トランプ大統領のロシアゲート疑惑による経済への悪影響
トランプ大統領のロシアゲート疑惑による経済への悪影響を心配する向きがあります。そのような疑惑が報じられるような不甲斐ない共和党政権であるにも関わらず、実は今年の後半に開かれる米国中間選挙で、共和党が優勢であると現時点では報道されています。ロシアゲートで何らかの進展があり、それにも関わらずそれでも共和党が優勢であった場合、ますます政権運営は混沌とし国は二分されるリスクがあります。そうなると、米国における様々な経済政策が進むこと無くなり、いわゆるレームダックになり、経済は停滞し、世界経済にとっては大きなマイナス要因になります。このような潜在リスクの顕著化を推察するには、政権幹部の離脱と、共和党幹部の発言、中間選挙の見通しなどのニュースに気を配り、自分なりに分析することが大切になります。
潜在リスクその3:2018年春に開催されるイタリア総選挙で反EU勢力が勝利する
2017年は、オランダ、ドイツ、フランスなどで国政選挙が続きました。2016年のブレグジットの流れの継続を警戒していた市場関係者は多く、様々な懸念が語られていましたが、1年という月日を経てイタリアの総選挙なども無事にほぼ無風で通過しました。このような時こそ注意が必要です。大きな変調はないと思っている向きが多い時こそ、大きな風向きの変化を見逃します。ニュースなどを見るときには、現地のインタビューなどのコメントを注意深く聞き逃さないようにしましょう。
FXエア座談会〜もし有名為替アナリストが2018年のドル円を予想したら〜

この時期になると、各金融機関のエース為替アナリストが来年度の為替予想を発表します。ここで、そのような有名アナリストが座談会を開いたらこんな感じになるのではないかと、つまりエア座談会を開いてみました。
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