潜在リスク〜国内編〜
潜在リスクその1:思わぬ日銀による金融緩和縮小開始
現時点で、ほとんどの人が黒田日銀総裁の再選、しかも引き続き金融緩和策の継続を想定しています。ですが、かなり確率は低いですが再選されないかもしれませんし、米国と歩調を合わせるために量的緩和の縮小を判断することがありえるかもしれません。2017年後半から兆候の見え始めた物価上昇により、想定外のインフレ兆候をきっかけに金融政策の変更があり得ます。この事象が発生した時は、相当なインパクトになるので要注意です。
潜在リスクその2:2019年10月の消費増税を先取りした消費不況
多くの市場関係者は、駆け込み需要による反動が起こる時期は2019年に入ってからと思っていますが、2018年からその影響が出てくるかもしれません。というのは、企業は2019年に入って製品の値上げを行うと「消費税増税に便乗した」という批判を避けることが想定されます。その影響を受け、2018年に前倒しで値上げが導入される可能性があります。そうなると2018年から個人消費の意欲が減退しGDPにマイナスの影響を与えるかもしれません。
このように地味ではあるものの国内外の潜在的なリスクを理解しておくことが2018年を乗り切るためには大切な要素だと言えそうです。
渋谷 豊
ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研) 代表、ファイナンシャルアカデミー取締役
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