2019.2.7
「プロボノ」はバレンタインデーと関係あり
「プロボノ(Pro bono)」とは、職業を持つ人が、専門的な知識、経験、スキルを活かして社会に貢献するボランティア活動のことです。たとえば、銀行員が地域の小・中学生のために学校の教室で「お金」に関する基礎知識を教えたり、タクシードライバーが経験を語りながら地域の交通安全のための活動をしていたら、それはプロボノと言えます。
もともとは英国やアメリカで弁護士が、市民のために無料で法律相談に応じたり、無料で弁護を引き受ける活動を指していましたが、現在はそんな専門的な職業だけでなく一般的な職業でも、業務で得た専門性や経験を社会に役立てる活動をプロボノと呼んでいます。
プロボノの語源はラテン語の「pro bono publico(公共のために)」です。バレンタインデーでおなじみのベルギー産高級チョコレート「ゴディバ」のパッケージに描かれた馬に乗った裸の女性は中世イングランドの伯爵夫人で、「pro bono publico」と言ってコベントリーの町をその姿で行進したという伝説があります。それは重税に苦しむ領民のために夫の伯爵に減税をのませる交換条件の行動でした。ゴディバ(ゴダイヴァ)夫人は、欧米ではプロボノのシンボル的な存在です。
従業員にプロボノを奨励する日本企業もある
プロボノは本来、個人が自由な意志で社会貢献の対象を探して参加するものですが、日本では従業員にプロボノを奨励したり、社会貢献先を紹介、斡旋している企業があります。
2010年、日本で最初に企業ぐるみでプロボノに取り組んだのはNECでした。社内で公募してチームを組み、震災復興、途上国支援、子育て支援、障がい者支援、環境・生物多様性保全、文化・スポーツなどさまざまな分野で社会起業家を支援しています。IT企業らしく、従業員のIT関係のプロフェッショナルスキルを活かして問題を解決しています。
三井住友銀行は銀行業界に先駆けて2011年から、CSR(企業の社会貢献)活動の一環として有志を募って運営するプロボノのプロジェクトを立ち上げています。地域の活性化、子育て支援などに取り組むNPOの運営支援として、事業計画の立案、経理事務の改善、寄付金の管理、個人からの寄付を増やすためのマーケティング調査、広報活動の改善提案などで貢献しています。
参加者は銀行業務やグループ内の関連業務で培った知識や経験やノウハウを社会貢献活動に活かしています。1日だけ「おためし」でプロボノを体験できる「プロボノ1DAYチャレンジ」という企画も行われています。
その他では、パナソニック、日本アイ・ビー・エム、日本マイクロソフト、日立グループなどが企業ぐるみでプロボノのプロジェクトに取り組んでいます。
2016年には「プロボノ価値共創プログラム」がスタートしました。プロボノ版の異業種交流で、合同チームがNPOの問題解決を通じて社会課題の解決に貢献しています。大日本印刷、東京エレクトロン、日本ユニシス、富国生命保険、三菱電機、リコーなどの企業がそれに参加しています。
2016年には「プロボノ価値共創プログラム」がスタートしました。プロボノ版の異業種交流で、合同チームがNPOの問題解決を通じて社会課題の解決に貢献しています。大日本印刷、東京エレクトロン、日本ユニシス、富国生命保険、三菱電機、リコーなどの企業がそれに参加しています。
パラレルキャリアとは?第二の名刺を持ち「生きがい」を見つける

「パラレルキャリア」をご存知ですか?働き方改革の推進に伴い、政府は副業・兼業の普及を促進する動きを見せています。政府が作成するモデル就業規則を、2018年1月に副業禁止から容認する規定へと改定しました。今回は、パラレルキャリアにスポットを当てて「働く喜び・生きがい」について考えます。