答えは明快。“経験”です。
経験はその場限りではなく、自分のライフステージを高める栄養になる
経験というのは、実際に見たり、聞いたり、やってみたりして「自分の中身を磨き、成長につなげる」こと。
例えば、少々高価な参加費がかかったとしても、興味のある講師が登壇する有料セミナーに参加してみる。あるいは、ちょっと背伸びして出かける感覚のある星付きレストランで食事をしてみる。好きな音楽のフェスやあこがれの場所への旅行などもいいですね。自由に使えるお金を経験に使う意識付けをしてみましょう。
「経験なんてすぐに消えてしまうから、もったいない」と思いますか?
いえ、むしろ逆です。経験は自分の中に確実に残り、生きている限り、活かされていきます。飽きたり、使い古したりすることはなく、長い寿命を保ってくれるのはモノよりも経験なのです。たとえ、セミナーが期待ほどではなかった、星付きレストランでうまく振舞えなかったなど、失敗だったという手痛い支出があったとしても、必ず次に活きる経験になっているはずです。
経験は“確実なリターンを得られる支出”であるという点で、とても合理的なお金の作法となるのです。さらにいえば、経験という買い物は「非常に安い」という点も強調したいところ。モノの消費の一例として「バッグ」で一級品を買おうと思ったら、どれくらいかかるでしょうか? 高級ブランド品であれば数十万円、100万円以上するものもざらにありますね。一方で、三ツ星のフレンチレストランで食事をするとしたら、予算はどれくらいまで見積もるべきでしょうか? フルコースに最高のワインを楽しんだとして、どんなに高くても5万円程度ですね。経験はモノと比べて格段に少ない支出で最高のインプットが得られる、“とってもオトクなお買い物”なのです。
最高でも5万円の支出で得られるインプットは膨大です。
料理としての味の素晴らしさはもちろん、一流レストランとしての空間の心地よさ、一つ一つの動作にもてなしの精神が宿るサービス、そして、そこに集まる人たちが創り出す上質な会話と空気感……。その経験を味わっている1秒ごとに身になるインプットは、あなたのライフステージを高める栄養として蓄積されていきます。そして、「こんな素敵な時間を味わうために、また明日からがんばろう」という気持ちが生まれるとしたら、これから先に稼ぐことができる生涯収入にもプラスの効果が発揮されていくのです。
一流を経験することで、一流の女性になっていく
一流のサービスに触れる経験をするといいと伝えると、「私はまだふさわしくない」と敬遠する人がいますが、考え方を180度変えましょう。「ふさわしいから経験する」のではなく「経験するからふさわしくなる」のです。実際、経験を積極的に買うことでライフステージを上げていった人を、私は見てきました。自分が欲しい経験は、自分から積極的にお金を払い、自分の糧にしていくものなのです。
「どんな経験をしたいか、すぐに思い浮かばない」と使わずにいるのはもったいない。迷ってるとしたら、身近にいる「素敵だなと思う人」「こんな人になりたいと思える人」の行動を観察してみるといいでしょう。その人が普段どんな経験にお金を使っているか観察してみて、その経験を真似することから始めてみましょう。気になるお稽古事に通う、話題のカフェに行ってみる、本を月に100冊読む、初めての地に旅行するなど、自分の中身を育てる経験であれば、何でもいいのです。