2019.1.9
逆境を抜け出すアドバイスが心に響かない理由
人によって逆境と思える状況は異なりますが、おそらく誰もが失望感を感じたり、そのプレッシャーにより無力感に捉われたりするでしょう。そのような状況で逆境から抜け出すためのアドバイスを受けても、行動に移せない人は多いと思います。
逆境を乗り越えた人は確かにメンタル面で強くなりますし、その言葉は説得力を持っています。そして逆境のときに集中するというのは、不安に思う気持ちを取り除くという理由があります。
それを頭では理解できても、一歩前に踏み出す行動を起こせないのはなぜでしょうか。それは逆境から抜け出そうという気力を、不安感やプレッシャーといった感情が押さえつけているからです。
ここで問題点がふたつあります。その不安感やプレッシャーをどのように払拭するのかということと、そもそも逆境から抜け出そうという気力が湧かない時はどうすればよいのかということです。
どんな逆境にある人でも立ち直ろうとする希望を持っている
まず逆境というプレッシャーから生まれる不安感などの感情に心を包まれると、そこから抜け出す気力が生まれるのかどうかを考えてみます。結論からいうと、どんな逆境にある人でもそのような気力、立ち直ろうとする希望は持っています。
その根拠は、“自分が逆境に立たされていると認識していること”そのものにあります。逆境とは順境ではない状態を意味します。つまり意に反した不遇な出来事などにより、自分が望んでいない状況に陥っている状態であるということです。
つまり自分にとって順境と思える生活と今の状況を比較しているわけですが、自分にとってのあるべき状況と現在とのギャップの大きさが、不安感やプレッシャーを生み出しているといえます。これは明らかに、理想とする“あるべき生活”を望んでいるといえるのではないでしょうか。
たとえばもし苦労のない生活を知らずにいたならば、人から見たら逆境と思うような生活も当たり前に思うことでしょう。そしてそこから抜け出そうという発想も生まれないかもしれません。
しかし今置かれている状況を逆境と感じているのであれば、それは自分が望んではいない状態であると認識しているわけですから、逆説的な見方ですが自分が望んでいる順境とよべる生活を希望しているといえるでしょう。