お金の教養「使い方」でも、
●支払った額以上の価値を得られた=投資
●支払った額と同じ価値があった=消費
●支払った額以下の価値しか得られなかった=浪費
●支払った額と同じ価値があった=消費
●支払った額以下の価値しか得られなかった=浪費
であると述べた。
自分がお金を支払う側として考えてみればわかることだが、人は基本的に「支払った額以上の価値がある」と判断しないと、自分の大切なお金を支払うことはない。つまり、人がお金を支払うのは、価値を感じるからだ。
では、人はどのようにして価値を判断するのだろうか。
たとえば、自分の好きなブランドのバッグには10万円を支払うことができるが、全く同
じ見た目、同じ素材でも、偽物のバッグに10万円を支払うことはない。これは、見た目や
素材そのものではなく、「ブランド」に価値があると考えるからだ。
じ見た目、同じ素材でも、偽物のバッグに10万円を支払うことはない。これは、見た目や
素材そのものではなく、「ブランド」に価値があると考えるからだ。
経済学では、私たちが価値と呼んでいるものには、大きく分けて2つあるといわれている。1つ目が「交換価値」、2つ目が「使用価値」だ。
交換価値というのは、お金とモノやサービスを市場で交換するときの値のことだ。この値は金額によって表される。
たとえば、あなたが3歳のときからずっと大切にしているクマのぬいぐるみがあったとする。枕元に置き、毎晩一緒に寝ているので、ぬいぐるみは汚れ、ところどころ傷んでいる。
それから、母の形見として持っている赤い毛糸の手袋。母が小さい頃に祖母に編んでもらったそうで、大人になってからも母は大切に寝室の棚に飾っていた。
どちらも、他人から見たら、「商品」として市場で売ることはできないかもしれない。つまり、「交換価値」はゼロだ。しかし、自分にとってかけがえのないものであったなら、引き換えに10万円、100万円をもらえるとしても譲りたくないだろう。交換価値がゼロであったとしても、大切な思い出や感情が詰まっているので、あなたにとっての価値はとても高いということだ。
こうしたときに、あなたがクマのぬいぐるみや赤い毛糸の手袋に感じている価値。これが2つ目の「使用価値」だ。この特徴は、ある人にとってはとても価値があっても、他の人から見れば全く価値を感じない、ということが当然のように起こりうるということにある。つまり、使用価値の大きさは、人によって変わる。
富者の遺言 第1章 始まり〜本当にそれでいいのですか?[第1話]
元銀行員の男が起業をして、一時は成功の夢をつかみかけたが失敗する。男はなぜ自分が失敗したのか、その理由を、ジョーカーと名乗る怪しげな老人から教わっていく。"ファイナンシャルアカデミー代表"泉正人が贈る、お金と人間の再生の物語。