貿易収支をみればヒントがある
貿易戦争といえば、貿易収支ですね。11月2日に米国の貿易収支が発表されましたが、9月貿易収支は貿易赤字で予想の536億ドルを下回る540億ドルの貿易赤字となりました。8月の貿易赤字は533万億ドルでしたので、8月よりもさらに7億ドルほどの貿易赤字の増したことになります。しかも、対中国赤字は貿易戦争のさなか更に増えて402億ドルまで膨れ上がりました。細かくみていくと9月の輸出額は2,126億ドルと前月比+31億ドルの増加、9月の輸入も2,666億ドルと前月比+38億ドルの増加でした。これらのことから米国経済は貿易戦争による貿易量の低下を懸念する声も多かったものの現時点では経済の好調さでどうにかカバーされていそうだということです。そのため、貿易摩擦に対する国民の不満も中和されている印象です。
さらに貿易戦争に関するサプライズのニュースが流れました。トランプ大統領は自らのツィッターで、中国の習国家主席と電話会談を行い長時間にわたり多岐にわたる議題を協議し公表しました。さらに、各社のニュースによるとトランプ大統領は、中国との貿易協定の草案作成を事務方に要請したと報じられています。米中ともに貿易摩擦解決に意欲を示したと報じられたことで、更に貿易戦争への心配は中和されたようです。
このように、2018年中間選挙の序盤戦は共和党不利という前評判で進んできましたが、雇用や賃金、そして貿易問題などに問題はあるものの、トランプ政権のおいて経済成長を実感できるいることで経済問題が最大の焦点になる可能性は意外と低いかもしれません。ぜひ、投開票直前まで自分なりの分析をしてみましょう!
渋谷 豊
ファイナンシャルアカデミー総研代表 、ファイナンシャルアカデミー取締役
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