2019.4.16
日本における富裕層の定義や世帯割合は?
日本の富裕層世帯の割合は増加傾向にありますが、「富裕層の定義とはこれ!」と決まっている訳ではありません。それでも、結論としては「金融資産1億円以上の世帯が富裕層、」と感覚的に理解しておけば大丈夫です。その根拠を以下で説明しておきましょう。ちなみに、年収要件を富裕層の定義に入れるのは、現在一般的ではありません。野村総合研究所(NRI)では、日本全国の企業オーナーを対象とした「NRI富裕層アンケート調査」というものを、2016年に実施しています。
この際に用いられたの富裕層の定義が、日本国内では広く受け容れられています。
1)超富裕層(純金融資産5億円以上)
2)富裕層(純金融資産1億円以上5億円未満)
3)準富裕層(純金融資産5,000万円以上1億円未満)
4)アッパーマス層(純金融資産3,000万円以上5,000万円未満)
5)マス層(純金融資産3,000万円未満)
2)富裕層(純金融資産1億円以上5億円未満)
3)準富裕層(純金融資産5,000万円以上1億円未満)
4)アッパーマス層(純金融資産3,000万円以上5,000万円未満)
5)マス層(純金融資産3,000万円未満)
の5分類に分けて考えることが特徴です。基本的に、1)超富裕層と、2)富裕層とを合わせて富裕層と称している、と考えておけば良いのですね。
今回出て来た「純金融資産」ですが、保有する預貯金、株式、債券、投資信託など金融資産の合計金額から、負債を差し引いた金額を表します。NRIによる最新推計では、2017年には日本の127万世帯弱が富裕層(超富裕層+富裕層)に該当し、全世帯数の約2.4%とのことです。日本では100人中2〜3人、中学・高校のクラスで1人くらいが富裕層になる、という感覚ですね。
日本の富裕層世帯の割合は増加中?愛知・奈良・福井に注目?
日本における富裕層(超富裕層+富裕層)は、2017年時点で127万世帯弱と推計される訳ですが、2013年から増加の一途です。NRIによる推計開始以降最多であった2015年の122万世帯弱から、さらにこの2年間で5万世帯ほど増加しています。
ここで、都道府県別に眺めると、日本の富裕層の実態がどのようになっているのか、興味が湧きませんか。参考になりそうな統計資料として、「総務省の平成26年全国消費実態調査 家計資産に関する結果の公表」というものがあります。
ただし、この統計における「家計資産額」の数字には宅地資産が含まれ、東京首都圏は土地価格が高いため、自ずと家計資産額を押し上げることになります。この点には注意が必要ですね。言わずもがな、1位は東京都であり、家計資産額は6,058万円です。これは断トツのトップで、全国平均の約1.7倍の数字です。2位は大きく差が開いて神奈川県となっており、4,518万円となります。3位は愛知県で、家計資産額は4,418万円と、2位の神奈川県を間もなく凌駕しそうな勢いを見せています。
4位は大きく差が開いて埼玉県で、3,813万円です。意外なのは、5位に奈良県、6位に福井県がランクインしていることです。家計資産額はそれぞれ3,713万円、3,707万円となっており、4位の埼玉県とほぼ並んでいる感じです。ここから見ると、首都圏以外で富裕層世帯の割合が高そうな都道府県は、昨今のインバウンド需要が大きそうな土地柄にも感じますね。