2017年12月21日 更新

〈清水直哉〉旅するように働く。世界一周で気づいた「自分がやりたいことをやりたいだけやる」という生き方

「お金とは、 やりたいことをやるための『道具』。(清水直哉)」

2015.8.31
世界一周を通じて知り合った数人の若者が集まり創業した世界一周団体「TABIPPO」。代表取締役の清水直哉氏は、齢26歳という若さで大好きな「旅」を生業にした。自分がやりたいことを仕事にした彼の人生を作ったきっかけとは何だったのか、世界一周のエピソードとともに話を聞いた。

■自分の価値観が変わっていく瞬間

STAGE編集部:清水さんが、世界一周旅行に行こうと思ったきっかけはなんだったんですか?

理由はすごく単純で、「行きたいと思ったから」です。大学でサッカーをずっとやってきたけれど、就職活動がはじまって自分と向き合った時に、「別にプロサッカー選手になるわけじゃないのに、このままサッカーだけやっていていいのかな」という危機感が湧いてきたんです。それで、1回部活を休んで、1人旅をしてみようかなと思い、1ヵ月だけヨーロッパにサッカーを観に行くことにしたんです。

その旅行先で、偶然、今まさに世界一周をしている大学生と知り合って。その時「大学生が世界一周できるんだ!」というすごい衝撃を受けて、自分にも出来るんじゃないかとか、いつか自分もしてみたいなと思ったんですね。

それから色々調べたら、世界一周航空券っていうものがあって、40万円ぐらいで行けると知ったんです。色々考えた結果、結局、大学4年生の時に就職活動を辞めて、1年大学を留年して世界一周に行くことに決めたんです。
STAGE編集部:世界一周旅行では具体的にはどんな国に行ったのですか?

3ヵ月という短い期間だったので、近場の東南アジアとか東アジアは外して、最初にインドに入りました。そこから、中東のヨルダン、イスラエル、エジプト、トルコ辺りを陸路でまわったあと、ヨーロッパに飛んで、しばらく色んな国に滞在して、そこからアフリカのモロッコに渡って、さらに飛行機でぐるっと南米に向かいました。バスで陸路を50時間位かけてペルー、ボリビア、チリと回り、最後にアメリカに行って帰ってくる、という流れでしたね。行った国としては14ヵ国ぐらいなので、まだまだ行きたい所はたくさんありますけど。

▲イースター島にて
STAGE編集部:その旅を通じて思ったことや感じたこととは?

たくさんの世界一周旅行をしている人達と出会い、その人達との出会いを通じて自分の価値観が変わっていく瞬間を多く経験しました。今でもその時に知り合った仲間とこうして会社をやっているくらいですから、旅を通じて出会った“仲間”は自分にとって今でも非常に大きな財産だなと感じます。
STAGE編集部:もっとも大きな価値観の変化は?

旅を通じて得た価値観の変化というのは、「人間ってもっとやりたいことをやったほうがいいんだ」と腹落ちしたことですね。

例えば貧困の国に行くと、やりたいことがやりたいけどできないという人がたくさんいるんです。インドではカースト制度があって生まれたときから位が決まっていたりして、学校にも行けないような子たちと会う機会があったんです。でもその子たちはその子たちなりにすごい人生を楽しんでいたんですよね。例えば、「学校に行きたい!」というような“夢”を持って人生を送っていたんですよ。その姿はすごくキラキラして見えました。

▲旅で出会った子供たちのキラキラした笑顔
一方で、世界一周旅行に行く前の僕も含めてですけど、日本で電車に乗ってなんだかつまらなそうに生きている人を見て、あんまり「やりたいことをやろう」と思って生きてないんじゃないかなって思ったんです。

日本って、バイトをすればご飯を食べていくくらいのお金は稼げて、餓死することもない。自分が頑張ればある程度の高校も行けるし大学も行けるし、ある程度の企業も学力に関係なく入れる。結構やりたいこと何でもできる環境なんですよね。

あとは、日本のパスポートだと世界中どこでも行けるんですけど、そうでない国もあって、旅先で会った他国の人に「お前のパスポートはいいな。俺はその国に行きたいけど行けないんだ。」と言われたりすることもありました。

そういう色んな人に会っていくうちに、「あぁ、なんで日本人ってこんなにやりたいことやらないんだろう」ってすごく不思議に思って。だから「自分は世界一周から帰ったら、もっとやりたいことをやろう」って思ったんです。

■やりたいことを、やりたいときに、やりたい仲間と、やりたいだけやる

STAGE編集部:世界一周旅行に行く前と後では、仕事というか、働くことに対する考え方は変わりましたか?

そうですね。働くことに求めるものが大きく変わりました。最初は給料がたくさんもらえるところ、とにかく大きい企業という目標で就職活動をしていましたが、帰国してからは給料より「やりたいことをやるためにどういう企業を選ぶか」という気持ちに優先順位が切り替わったんです。

結局、お金ってやりたいことをやるための「道具」でしかなくて、目的にするものではなかったなと。だからフットワークが軽くて、自分が好きな“旅”を仕事にするのが叶えられそうなベンチャー企業に入社しました。

STAGE編集部:つまり働く目的が変わったということですね。

そうですね。僕がやりたいことの中のひとつに“旅”があって、僕がポジティブな影響を与えてもらった経験を、周りにいる友達などにしてもらいたいなって思ったんです。その延長線上で、日本の若い人がもっと当たり前のように世界に旅してくれたらいいなという思いが、働くこととリンクしたんです。

「いいな」と思うから広めたい、目の前にいる人に伝えていきたい、というのが最初のきっかけで、TABIPPOを仲間と一緒に立ち上げようという話になって、この団体を作ったという形です。

やりたいことを、やりたいときに、やりたい仲間と、やりたいだけやる。そういうのが夢なんです。だから、毎年やりたいことは変わっていきますけど、柔軟に、常にやりたいことをやれる自分でいれたらいいなと思いますね。
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