2019年8月29日 更新

技術力だけでは生き残れない 伝える力を高めて最強のエンジニアになる

現代は、どんな職業であっても技術が高いだけでは生き残っていけない時代です。技術力に「伝える力」が加われば、パフォーマンスは大きく改善されるでしょう。 亀山雅司著『最強のエンジニアになるための話し方の教科書』 より、エンジニアが身につけるべき話し方のコツをご紹介します。

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2019.8.26

技術が高いだけでは生き残れない時代

「エンジニアは技術が本業だから、話が下手でも大丈夫」もしかしたら、こんなふうに考えていませんか。でも、これからの時代、技術力だけでエンジニアは生きていけるのでしょうか。
3ページより引用
5歳からエンジニアを目指していたという著者は、大阪大学大学院工学研究科の修士課程を修了し、さまざまな資格を取得。関西電力株式会社等を経て、現在は原子力安全推進協会に勤務しています。
技術畑一筋で歩んできた著者は、「技術の説明」の限界に直面した経験から、技術の新しい伝え方を探求するに至ります。エンジニアを支援する活動として、話し方を教える活動を開始。200名ものエンジニアにパーソナルトレーニングを行なってきました。
一昔前であれば、エンジニアは技術が高ければ、それだけでよかったのかもしれません。しかし、技術の高さや価値を適切に伝えることができなければ、今は生き残っていけない時代であるといえるでしょう。
情報を論理的に正しく話しても、伝わらないということはよくある話です。たとえ、話の筋をきちんと組み立てたとしても、高圧的で気まずい会話になってしまい相手を怒らせては元も子もありません。
本著は、日本の典型的なエンジニアである35歳の田中さんを主人公に、ストーリーが進んでいきます。
エンジニアではなかったとしても、論理的に話しているのに会話がうまくいかない人にとって役に立つ内容であるといえそうです。
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説明するまえにラポールを築く

本書を読み進めるとわかりますが、「弁が立つ」ことと「伝える力」はまったく別物だからです。中略
エンジニアの話し方は、正しい意見を認めてもらうための会話です。中略
そのため、会話は相手との戦いであり、会話は最初から対立しています。
14〜15ページより引用
エンジニアの話し方は、正しいことを正しいと言っているだけ。それは、技術というものには答えが1つなのだから、他に伝え方はない、という考えに基づいていると著者はいいます。ゆえに、相手を攻撃して傷つけ、怒らせているという自覚がないのだとか。これでは、適切な伝え方をしているとは到底いえないでしょう。
著者は、出会って30秒で仲間のように話せるようになる「ラポール」というコミュニケーションスキルを紹介しています。
会話というものは、その内容を通じて相手を信頼し、本音を話せる状態になると考えがちです。しかし、最初に相手を信頼して本音を話せる状態になってから、会話の内容を伝えるということもできるのだといいます。
その鍵となる手法がラポールで、「心のかけ橋」という意味がある臨床心理学で用いられる言葉です。カウンセリングでは、セラピストとクライアントの相互信頼が重要になってきます。本音で話す状態を作り出すラポールは、日常生活においても活かすことができそうです。
そもそも、会話は仲がいい状態でスタートしようとすることが重要。本題に入る前に、意見が対立しない話題を意図的に作り出し、あなたと私は「同じ」であると伝えることは30秒もあれば十分です。
「同じ」を見つけて口に出し、心を許して話してもらうラポールを築く。説明を始めるのはそれからです。
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