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2018.11.26
自分のものさし 好きを仕事にするという呪縛
個性を生かす。自分にしかできないことをする。持って生まれた才能を開花させる。どれも耳ざわりのいい言葉ですが、この考え自体、すでに他人のものさしなのではないでしょうか?
発売2ヵ月で10万部を突破した『転職の思考法』(北野唯我著)では、人間には「to do型」と「being型」がいるとされています。to do型は、自分が何をするのかを重視する人。being型は、自分がどんな状態でありたいかを重視する人です。
ほとんどの人は、確固たる目標と夢が明確なto do型に憧れますが、99%の人はbeing型。常にやりたいことがはっきりしている人間なんて稀(まれ)だということですね。
いわゆる成功哲学は、たった1%のto do型が書いたものです。理想と違う現実だとしても、使命感やモチベーションを維持できる人が書いているのです。
「憧れ、まね、挫折」という無限ループを人生で何度もくり返してしまう人がいます。
転職しても配属先が気に入らない、起業してから膨大な事務作業にがくぜんとする。最終的には「こんなの本当の自分じゃない!」とショックを受けてやめてしまいます。
転職しても配属先が気に入らない、起業してから膨大な事務作業にがくぜんとする。最終的には「こんなの本当の自分じゃない!」とショックを受けてやめてしまいます。
別に怠惰でもワガママでもありません。ただ、あまりにも憧れが強すぎるため、理想と現実のギャップに耐えられなくなってしまうのです。特に、「好きを仕事にする」という呪縛には要注意です。
他人のものさし 誰かのために頑張ってみる
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「本当の自分探し」にとらわれたときは、いったん気持ちを切り替えて、会社の利益や誰かのために頑張ってみることをおすすめします。自分のやりたいことが見つからなくても、他人のためにやることは盛り沢山です。
Apple社のティム・クックCEOに愛され、国連のスピーチにも招待された80代のプログラマー若宮正子さん。彼女はパソコン教室で、自分と同じシニア世代の生徒を教えるためにエクセルアートを考案し、「シニア世代が若者に勝てるゲーム」を作りたくてアプリhinadanを作りました。
裏方の仕事、人前に出ること、苦手な方面にも腰を据えて取り組んでみましょう。与えられた環境でベストを尽くしていれば、やがて意外なフィードバックがあなたを取り囲みます。