2019.7.10
風評被害とは? 意味と近年の事例
風評被害とは、根拠のない噂が原因で生じる被害のこと。最近では、商品などの安全不信によって経済的被害が発生することを言う場合が多くなっています。
たとえば東日本大震災では、福島第一原発の事故をきっかけに、福島の農産物・水産物だけでなく茨城や東北太平洋沿岸の水産物も危険視される他、震災で他の地域へ避難した人たちが差別されるという事態が発生しました。
風評はどこから広がる? 風評被害拡大のプロセス
東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也氏によれば、風評被害のプロセスには4段階あります。
【プロセス1】
社会で不安が拡大。消費者が不安を抱き、メディアも同様の批判を行う。ネットに不安を煽る書き込みが増え、事実関係が置き去りにされ、関係者は理不尽な批判を受ける。
【プロセス2】
不安や批判が増幅。危険性を指摘する情報自体は減少するが、取引関係者などが少数者の意見を増幅する。
【プロセス3】
不安・批判の増幅が負のスパイラルに陥る。クレームが出てこなくても、関係者が先回りして対応。「念のため取引はしない」が常態化する。