2018年11月29日 更新

【君主論】マキァヴェリに学ぶ理想のリーダー論「愛されるより恐れられよ」

西洋の『孫子の兵法』といわれる『君主論』。ルネサンス時代の政治思想家ニッコロ・マキァヴェリが書いたものです。道徳や義務といった理想と現実を切り離して書かれた君主論は、現代でも成功する組織をつくる秘訣を教えてくれる古典です。

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2018.11.29

理想もいいが、現実も見よ

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マキァヴェリの「君主論」は、多くの著名人が「社会人が読んでおきたい本」にあげる古典のひとつです。
「君主はどうあるべきか」についての議論は、従来「民に慈悲深くあれ」といった道徳や義務の観点からしか語られてきませんでした。しかし、マキァヴェリは、道徳と統治を切り離し、君主は善と悪をうまく使い分けることが重要だと説いた点で画期的でした。
「国家存続のためには、必要に迫られれば道徳に反することもやむなし」という、一種の危険思想とも誤解されかねない考えですが、マキァヴェリは、なにも君主は不道徳になって残虐非道な行いをしろと言っているのではありません。真に伝えたかったのは、君主は常に冷静に物事を考え、生存戦略と道徳を切り離して考えなければいけないという点です。

愛されるより恐れられるほうがいい

gettyimages (25888)

君主論の特徴は、なんといっても「愛されるより恐れられよ」、この一言に尽きます。君主論からの引用を見てみましょう。
「君主は愛されるのと恐れられるのと、どちらがいいだろうか。もちろん、両方であるのが望ましいが、それが難しければ、愛されるより怖れられるほうがずっとよい。人間というのは総じて恩知らずで、気まぐれで、うそつきで、危険を嫌い、儲けには貪欲である。だから、よい待遇さえ与えればついてくる。とはいえ、…(中略)…君主が危機に陥るや、彼らはそっぽを向く。そういう口約束を信じ、何の手立ても講じない君主は必ずや滅びる。心の大きさや気高さによる友情でなく、お金で買った友好関係は、所詮それだけのものでしかなく長続きしないし、何も生み出さない」(『君主論』第17章より抜粋)
ビジネスシーンでの人間関係は、ときに割り切ることも大切です。
たとえば、とくに不仲でもなく、仕事にも満足していると思っていた部下が、なんの前触れもなく退職を願い出たとします。実は上司である自分に不満を抱いていたことを知って、部下に裏切られたと感じるのは、リーダーとしてスマートではありません。
感情を切り離し、部下が離反したり、反発したりするリスクも想定して手を打つこともリーダーの役目なのです。
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ユキヨシ ユキヨシ