2019.3.8
虐待児童救出から犬語翻訳までAIが担う未来がすぐそこに
「AI時代」という言葉を耳にするようになりましたが、いまいち実感のない人も多いのではないでしょうか。
さまざまな業務がAIに取って代わられるとは言われるものの、今のところドラッグストアには薬剤師がいますし、百貨店にはスタッフが、タクシーには運転手が映画館のゲートにはチケットをチェックする人がいます。AIと言われて思い浮かぶのは、音声アシスト機能くらいかもしれません。
しかし、実は社会や文化のかなり重要な部分で、AI技術の導入は進んでいます。
たとえば、アメリカのNational Center for Missing and Exploited Children。行方不明になった児童、虐待を受けている児童を救出するために、大量に寄せられた市民からの報告を処理するAIの導入を進めています。イスラエルのRazor Labsは、鉱山会社がAIを利用してビジネスプロセスを最適化したりROIを最大化したりする支援を行い、プレーリードッグの研究を行うノーザンアリゾナ大学のSlobodchikoff教授は、コンピュータの専門家と協力してプレーリードッグの鳴き声を英語に変換することに成功。この翻訳アルゴリズムを応用した「犬語翻訳機」の開発が現実味を帯びてきています。
世界規模で見れば、さまざまな形でAI技術が拡大しているのがわかるでしょう。
写真加工や家電の自動制御・・・すでに日常生活で使われているAI機能
しかしまだ、私たちの日常風景からは少し遠いと感じるかもしれません。もっと身近なところを見てみましょう。
たとえば写真加工アプリ。記念写真をスマホで撮影する人は多くいますが、撮影後の画像処理をスマホ内で完結するのは珍しくありません。この写真加工アプリに、実はAIが使われています。撮影された写真のいくつかをSNSにアップロードする場合、たとえばFacebookでは、自動的に人物をタグ付けするのも画像認識AIによる機能です。
また、世界的大手ショッピングサイトのAmazonでは、おすすめ機能にAIを導入。温度や人間の居場所を検知して自動制御を行うAIを搭載したエアコンや、室内の状況や間取りを学習し、効率的に掃除するAI搭載型お掃除ロボットが人気です。
私たちが意識しないさまざまなところで、実はAI技術が用いられ、人による作業の手間を省いてくれているのです。ちなみにAI研究者の一人は、久しぶりに会う目の前の人物が誰か教えてくれるAIが欲しいとか。