2019年3月6日 更新

【ビジネス戦略】「ニーズ後追い」は邪道でなく重要な方法

ビジネスではよくニーズを「発掘せよ」「自ら創り出せ」「先取りしてチャンスをつかめ」と言われますが、あえてニーズを後追いするのも戦略の一つです。創造や仕掛けが必要ない分、ムダを省きコストも安くすみます。撤退もしやすくなります。決して「恥ずかしい邪道」ではありません。

2019.2.5

「創造型」「発掘型」「後追い型」の3タイプ

あなたは自ら流行を創り出すタイプですか? 流行を発掘してそれを先取りするタイプですか? それとも流行に後からついていくタイプですか?
流行を自ら創り出したり、先取りしたりするのは「かっこいいこと」で、流行を後から追いかけるのは「かっこわるいこと」だと思うかもしれません。
でも、ファッションや小物や音楽のような趣味の領域ならともかく、ビジネスの世界では消費者のニーズを後から追いかける「かっこわるい」イメージの企業が成功することはよくあります。逆に、ニーズを自ら創り出したり、それを先取りした「かっこいい」イメージの企業が競争に敗れることもあります。
事情通の人が「あのアイデアを最初に考えたのはA社。B社はマネしただけだ」と悪口を言おうと、現状の市場占有率(シェア)がB社75%、A社15%だったら、後追いしたB社が勝者で、最初にアイデアを創り出したA社が敗者。それがビジネスというものです。
大きく分けると、どこにもなかった斬新なアイデアを消費者に提案してニーズを自ら創り出すのが「ニーズ創造型企業」、潜在的なニーズを発掘して消費者に向けて仕掛けていくのが「ニーズ発掘型企業」、すでに顕在化しているニーズを後から追いかけ、改良を加えたり価格を安くしたりして優位に立とうとするのが「ニーズ後追い型企業」です。

「ユニクロ」と「ハニーズ」に、優劣はない

ファッションの「製造小売業(SPA)」業態を例に挙げると、「ユニクロ」(ファーストリテイリング)はニーズ創造型企業、「ハニーズ」(ハニーズホールディングス)はニーズ後追い型企業にあたります。どちらも現在は東証一部上場企業です。
ユニクロの商品と言えば「フリース」や「ヒートテック」が思い浮かぶでしょう。それまでなかったニーズを自ら創り出し、ヒット商品にしました。そのスローガンは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」です。
一方、ハニーズのスローガンは「高感度・高品質・リーズナブルプライス」です。同業他社の店舗で売れている服を調べて、同じような服を企画し品質は同水準でも価格を少し安くして売場に並べ、小回りよく短い間に売り切って在庫を抱えない、というやり方です。
企業の規模は違いますが、ユニクロの戦略とハニーズの戦略の間に優劣はありません。客層が違い、人によって好き嫌いはあっても、どちらもファッションの製造小売業(SPA)で成功をおさめた企業です。

「後追い戦略」にはこんなメリットがある

23 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

デザイン思考とは?今知っておくべきスタンフォード式マインドセット

デザイン思考とは?今知っておくべきスタンフォード式マインドセット

顧客が求めているサービスとは何なのか知りたい。あるいは、新商品のいいアイデアを見つけたい。どんな職業・職種でも、真のニーズや問題を適切に見つけ出し、解決に導く方法を知っておくことは大事であるといえるでしょう。 ジャスパー・ウ著『実践スタンフォード式デザイン思考』 より、これからの時代を生き抜くために必要なデザイン思考という考え方をご紹介します。
クリエイティブな人は「編集」している|新しい価値を見つけ出す方法

クリエイティブな人は「編集」している|新しい価値を見つけ出す方法

どんな業界であっても、新しい物事が常に求められています。そうはいっても、あらかたの題材は出尽くしている現代社会。多くのクリエイターは、どんなスキルを発揮して、日々新鮮なクリエイティブを生み出しているのでしょうか。 松永光弘著『「アタマのやわらかさ」の原理。』 より、編集という視点で新しい物事を見つけ出す考え方をご紹介します。
テレワーク導入の強い味方:日経OFFICE PASS(オフィスパス)を試してみた

テレワーク導入の強い味方:日経OFFICE PASS(オフィスパス)を試してみた

毎月定額で全国のシェアオフィスを利用できる日経の「OFFICE PASS(オフィスパス)」。東京2020に向けて政府主導でテレワークが推奨される中、経費としても扱いやすい仕組みになっています。興味はあるけど評判が気になるーー今回は実際に利用したメリット・デメリットをレビューします。
セルフリーダーシップで生き延びる|正解のない時代で自分の価値を信じる

セルフリーダーシップで生き延びる|正解のない時代で自分の価値を信じる

AIに仕事を奪われるとか、人生100年時代であるとか。この世は、今まで聞いたことがない前例のない世界になりつつあります。スピーディーに意思決定をしていかなければ、ますます時代に取り残されてしまうでしょう。 南章行著『好きなことしか本気になれない。』 より、確固たる正解のない現代を生き延びるための考え方をご紹介します。
「巻き込み力」はデキる人の必須条件!職場の完璧超人はもう時代遅れ?

「巻き込み力」はデキる人の必須条件!職場の完璧超人はもう時代遅れ?

かつて「仕事がデキる人」といえば、自分の仕事を一人でこなす「完璧超人」のようなイメージだったかと思います。しかし、最近は働き方の変化により、仕事がデキる人の定義が少しずつ変わってきているのです。 今回は今の時代にこそ必要とされる「仕事の巻き込み力」について紹介していきたいと思います。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS