もちろん、お店でスマホ決済もできます。今年の7 月末までは、QR コードもしくはバーコードを使って決済していただければ+3 %ポイント還元としていますので、使えば使うほどポイント還元率が高くなり、最高5 %還元を受けることも可能です。このお得感で利用を促進していきます。
LINE のキャッシュレス戦略
2 つのプレイヤー、「ユーザー」と言われているそれを使う人、そして決済で支払える「お店」側、この2 つのプレイヤーに対して両輪で推進していかないとキャッシュレス化は進まないと、我々は考えています。
ユーザーにはポイント還元というメリットがあります。お店側についても考えなければなりません。そこで、2018 年の6 月、中小規模のお店へのLINE Pay 導入促進のため、3 年間「初期費用0 円+決済手数料0%」にすることを発表させていただきました。
お店側がキャッシュレス化をためらう一番大きな要因は、決済手数料が高いということが挙げられます。
例えばお店が、なぜクレジットカードを導入しないかといえば、クレジットカードや電子マネーの端末が、高価だからというのがひとつあります。普及が進まない理由としては初期費用が高いという要因がありましたので、まずそれを0 円にしました。
例えばお店が、なぜクレジットカードを導入しないかといえば、クレジットカードや電子マネーの端末が、高価だからというのがひとつあります。普及が進まない理由としては初期費用が高いという要因がありましたので、まずそれを0 円にしました。
さらに決済手数料については、お店側の気持ちも非常にわかります。現金1,000 円でもらえればそのまま1,000 円もらえますが、クレジットカードで支払われると、クレジットカード会社の手数料が引かれて996 円とか995 円になってしまう。ですので、LINE Pay 決済は手数料も0%にしますよということを大きく発表させていただきました。
金融業でないからこそアグレッシブにできる
なぜ我々がこんなダイナミックな戦略を取れるのか?そしてなぜ今まで既存の企業ができなかったか?ということですが、それは、我々の本業が「決済」ではないからです。決済事業者は加盟店からもらう加盟店決済手数料というものがビジネスの種になっているため、そこを0%にしてしまったら会社経営ができなくなってしまいます。ではLINE ではどのように事業にしていくのか? 我々は「決済データ」というものが今後ビジネスの中で非常に重要になると考えています。
我々やその他広告事業をやっているIT 企業は、このデータを広告効果の向上に使うことができるのです。広告とは、企業が自社の商品を買ってもらうために、メディアに対してお金を支払うものですよね。今、インターネットの広告事業では基本的に広告効果によって単価が決まるようになっているので、効果が高くなれば広告の価値も上がります。
決済データを活用できれば、お客さまがどんなところでいくらぐらいの買い物をしているのか、ということがわかりますので、買い物の傾向ごとにパーソナライズ、つまり個々のお買い物スタイルに応じた、適切な広告を配信することができるようになります。
我々は加盟店決済手数料でビジネスをするのではなくて、本業であるコミュニケーションでビジネスをしていこうと思っているから、このようなアグレッシブな戦略が取れるのです。
ライフデザインを描く会社になる
我々はこのキャッシュレス事業において、生産性向上という切り口でさまざまなことを見ています。QR決済を普及させたい、という単純なことではなく、私達の生活自体をよりよく“リデザイン”していきたいと思っています。コンセプトは、「コミュニケーション☓テクノロジー」です。
例えば、「スマートシティ構想」。いま、福岡市とLINE とで簡単に粗大ごみの申込みができるサービスを作っています。「福岡市粗大ごみ受付」のLINE アカウントと友だちになれば、会話するように申し込めます。自治体のホームページで粗大ごみ申込みの項目を必死で探さなくてもいいんです。まだ実験段階ですが、今後、LINE Pay で料金支払いも会話の流れで可能にして、すべてLINE で完結できるところまでもっていくつもりです。