2018年12月21日 更新

【働き方改革】離職率28%から4%に減少 サイボウズの好事例

残業の上限規制などが盛り込まれた「働き方改革関連法」が2019年4月に施行されます。厚生労働省が目指すのは「多様で柔軟な働き方の実現」です。2005年に28%あった離職率が2017年、4%まで下がったサイボウズは「多様化」をキーワードにユニークな施策を実施に移しました。

2018.12.21
関連法が2019年4月に施行される「働き方改革」は、残業時間の規制が強化されるだけではありません。目指しているのは「多様で柔軟な働き方の実現」です。働き方改革によって離職率を28%から4%まで下げたのがIT企業のサイボウズですが、いったいどんな社内改革を行ったのでしょうか。

働き方改革法は2019年4月に施行される

2018年6月に国会で可決・成立した「働き方改革関連法」が2019年4月に施行されます。長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現を目指して労働基準法などの法律が改正され、時間外労働(残業時間)の上限規制導入、年次有給休暇取得の一部義務化、フレックスタイム制の見直し、高度プロフェッショナル制度の創設、勤務間インターバル制度の普及促進などが盛り込まれています。
多くの企業では法律の施行に向けて今、社内制度の改革や研修、啓発活動が行われていますが、先進的でユニークな働き方改革を次々と実施に移して結果を出したのが、「グループウエア」で知られるIT企業のサイボウズ(本社・東京都中央区)です。
2005年に28%まで上昇した離職率に危機感を抱いた経営陣は働き方改革に着手。離職率は2017年には4%まで下がりました(同年末の従業員数は連結で735名)。その12年間で売上高は約2.9倍に増え、企業はしっかりと成長しています。
(図表:サイボウズ売上高と離職率の推移)
今は、出産を理由に退職する社員は一人もいません。ワークライフバランスの改善で定着率が向上し、女性比率は約半分まで上がりました。IT企業では珍しいといいます。そんな取り組みが評価され経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれました。

サイボウズのユニークな働き方改革

社員一人ひとりが成長しながら、より長く働ける企業、職場になるための最大のキーワードは、「多様化」でした。
その1が「時間の選択」で、ワーク重視型(PS2/裁量労働)、ワークライフバランス重視型(PS/残業はあるが抑制する)、ライフ重視型(DS/残業なし)の3つのパターンから選ぶことができ、途中で乗り換えられます。ライフ重視型では、残業なしだけでなく短時間勤務、週3日勤務も選べます。
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