2017.5.25
派遣社員から26歳にして衆議院議員に。稀に見るシンデレラストーリーで国会議員にまで登りつめた男は、単なるラッキーボーイだったのだろうか? 実はそこには、人生の大いなる夢を自らの力で手繰り寄せるような確固たる信念があった。
■清掃員から政治家への道のり
大学に2年留年した後、単位が足らず卒業できないことが判明。慌てて派遣会社に登録して見つけたのが国会近くのオフィスビルで清掃などをする仕事。朝から晩までひたすら便器を磨いていると運命の出来事が……。いつものようにトイレ掃除をしていると外資系証券会社の外国人ビジネスマンが声をかけてきた。「きみは若いし、将来必ず出世する。1週間後にウチの会社の試験があるから受けてみなさい」と。そして夢にも見なかった外資系証券会社の一員に。
さらに幸運はそれだけではなかった。彼に言われ選挙の動向について調べているとき、偶然、自由民主党のホームページで衆議院議員選挙の候補者を公募していることを発見。軽い気持ちで応募したところ、自由民主党から声がかかり、あれよあれよという間に国会議員への階段を上り詰めた。
誰もが羨むシンデレラストーリー。思いもよらぬ人生の転機はいかにして訪れるのだろうか。杉村はこう振り返る。
さらに幸運はそれだけではなかった。彼に言われ選挙の動向について調べているとき、偶然、自由民主党のホームページで衆議院議員選挙の候補者を公募していることを発見。軽い気持ちで応募したところ、自由民主党から声がかかり、あれよあれよという間に国会議員への階段を上り詰めた。
誰もが羨むシンデレラストーリー。思いもよらぬ人生の転機はいかにして訪れるのだろうか。杉村はこう振り返る。
「何が転機になるかというのは、なかなか難しいですよね、本当に。ひとつ言えるのは、今、この目の前の仕事に全力を尽くす。そのことがとても重要だなと思います」。
そう。杉村はただなんとなく生きていたわけではない。そこには杉村太蔵ならではの信念があった。清掃員の時には嫌々仕事をするのではなく、いかにして目の前の便器をピカピカにするのかを突き詰めた。そして、どうしたらもっと働く人たちの役に立てるのかを考えた。トイレでグレンと挨拶する度に「舐められるぐらい便器をピカピカにしておきました!」とユーモアで返し、彼が手を洗い終わったらペーパータオルをサッと差し出した。この細かな言動のひとつひとつが、後の異例の抜擢へと繋がったのだ。
証券会社社員になった後も、最初に言われた“電話は5秒以内に出ろ“という教えを忠実に守っていた杉村。衆議院議員の候補者に応募したとき、自由民主党からの電話にも5秒で出た。そして「こちらへ来ることはできますか?」と言われ「5分で行きます!」と即答。どんなときでも即行動を心がけていた結果、奇跡とも言えるチャンスを手にすることができた。
証券会社社員になった後も、最初に言われた“電話は5秒以内に出ろ“という教えを忠実に守っていた杉村。衆議院議員の候補者に応募したとき、自由民主党からの電話にも5秒で出た。そして「こちらへ来ることはできますか?」と言われ「5分で行きます!」と即答。どんなときでも即行動を心がけていた結果、奇跡とも言えるチャンスを手にすることができた。
杉村は言う。「『棚からぼたもち』は僕のためにあるような言葉と言いましたが、こうは考えられないでしょうか。ぼたもちが落ちてきたとき、僕は棚の下にいた、と」。
偶然は、ただの偶然ではない。偶然を必然に変える確固たる理由がある。
■夢を追うことが良いこととは限らない
世の中をあっと言わせた政治家・杉村太蔵。これは昔から思い描いてきた道なのだろうか?
「小学校の頃はプロテニスプレイヤーになりたかった。中学校の頃は宇宙飛行士になりたかった。高校のときは体育の教員になりたくて、大学のときには弁護士になりたかった。それが結果的に政治家になって、そして今のポジションに……。実は私は何1つ夢を叶えていないんですよ。」
今の人生は、子どもの頃からの夢に向かって努力し続けて掴んだものではない。実はそれがとても重要なことだと言う。
「社会人になってからは、夢や目標を持つよりも目の前にあることに全力で尽くした方が自分の可能性が広がる。自分で描けるぐらいの夢なんて大したものじゃない。自分では想像できないような素晴らしい未来が待っているかもしれないのに、夢だと信じて自分の可能性を限定してしまうのは本当にもったいないことです」。