2019年4月9日 更新

就活の話題作りだったはずが、僕はフィリピンで涙を流した。

フリーランス国際協力師としてアフリカのウガンダ共和国で働く筆者。今でさえ国際協力の最前線で活動していますが、大学に入学した当初はこの分野に全く興味がなかったと語ります。 一年生の時、「就活の話題作りになればいい」と思って参加した海外ボランティア。そこで、彼の人生を大きく変える出来事が起こりました。

前回の記事では、僕がアフリカで活動することになったきっかけ「ウガンダの元少女兵との出会い」を紹介しました。その記事を読んで、こんな疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。

「そもそもなぜ原は国際協力に関心を持ったのか?」

実を言うと僕は大学入学当初、将来は教師になろうと考えていました。その頃はアフリカなんか全く興味なかったし、国際協力という仕事があることすら知りません。当時の自分に「お前は5年後フリーランスとしてアフリカで働くことになる」といっても、絶対に信じてもらえないでしょう。

今回の記事では、そんな僕がどうして国際協力の世界へ足を踏み入れることになったのか、その原体験をお伝えします。

高3の進路相談で何となく決めた「教師になろう」

僕は大学に入学した当初、将来は教師になろうと考えていました。

もともと友達に勉強を教えることが好きだった僕は、高校3年生の進路相談で担任から「原くんのような人にこそ教師になってほしい」と言われ、「それじゃあ」と簡単に決めた"夢"です。今考えてみれば、大した思い入れもありませんでした。

早稲田大学の文学部に入学したのも、教師になることを前提としていたからです。教職を履修しつつ、2年生からは英文科に進んで、大学卒業後は英語科の教師になろうと思っていました。

「海外で働きたい」意識高すぎる学生たちとの出会い

教職課程を受けながら、何となく抱いていた「海外留学」という目標に向かって英語の勉強ばかりしていた僕は、1年生の後期から友人の勧めで「グローバル・リーダーシップ学」という授業を受けることになりました。

僕はその授業で初めて、社会課題に取り組むNPO/NGOという組織があること、そして「国際協力」という世界があることを知ったのです。

その授業には、海外で働くことを視野に入れている本当の意味で意識の高い学生がたくさんいました。彼らと一緒に授業を受ける過程で、自分の将来に対する考えの甘さを痛感させられたのです。

これじゃあ、まずい。とりあえず海外ボランティアをやってみよう。

周りの学生と自分を比べた時に「これじゃあ、まずい」と思いました。そのうち、教師になるという夢も本当に正しいものなのかどうか、自分でも分からなくなってしまったのです。

「まだ1年生なんだし、もっと色々な世界に目を向けてみよう。」
「せっかく頑張って英語を勉強しているのだから、春休みは海外に出だい。」
「就活で使える話題が欲しい」

こんな浅はかな動機からリサーチをはじめ、最終的に「フィリピンでのボランティア」に辿り着きました。

ありきたりな海外ボランティアにありきたりな気持ちで参加した

フィリピンに出発する前の筆者。2014年2月撮影

「一年生なのに発展途上国でボランティアを経験していたら、周りからすごいと思われるはず!」そんな薄っぺらな気持ちから、僕はフィリピンでのボランティアに参加することになりました。

現地滞在はたったの6日間。携わった活動も至って普通のボランティアです。マニラの貧困地区でストリートチルドレンに給食活動をしたり、スラム街の子どもたちと汗だくになりながら遊んだり、孤児院を訪問して簡単な勉強を教えたり。

マニラのストリートチルドレンと筆者

正直、当時の僕はただ活動を楽しんでいました。別に楽しむこと自体は悪くないと思いますが、彼らの笑顔の裏に潜んだ途上国が抱える問題を真剣に見つめようとしていなかったんです。

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原貫太 原貫太
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