2019年6月18日 更新

あのマイセンが動物園?300年の職人技と情熱を味わおう!

私の仕事場には、白茶ネコが一匹。福利厚生部長として、ワークライフバランスを重視した自由な毎日を送っています。

左:《二匹の猫》オットー・ピルツ 1934~1940年頃 個人蔵
右:《二匹のフレンチブルドッグ》 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1924~1934年頃 J's collection
画像提供:パナソニック汐留美術館
私の仕事場には、白茶ネコが一匹。福利厚生部長として、ワークライフバランスを重視した自由な毎日を送っています。
ネコにもいろいろな品種がありますが(部長は雑種です)、大きさ・顔立ちなどバラエティ豊かなイヌと違い、基本、ネコ。〇に△の耳二つと、ひげでもつければ、だいたい誰が描いてもネコになる。
そんな明快な顔の作りながら、毎日顔を合わせていると、実に表情豊かなのに気づきます。
新しいおもちゃに満面の笑み。怒っているかと思ったら、ああ、その目は眠いだけか・・・表情やちょっとした動作の違いが読み取れるようになるのですね。
美術作品にも古今たくさんの動物が描かれていますが、私はそれがネコの場合、画の巧拙とは別に、描き方から実生活での画家とネコとの“関係性”がなんとなく感じられて、“同志”には急に親近感をもってしまうのです。
さて冒頭の画像。ある有名な磁器製作所の作品です。
「マイセン」。
現在デパートで見かける、あのマイセンです。でも思い浮かぶのは、高級なお皿やカップ・・・これは明らかにネコとイヌ。食器ではなさそう。でもマイセン?
ここで少しマイセンの歴史をみてみましょう。
1700年代初めのドイツで、東洋の磁器の美しさに憧れた王様がいました。その命を受けた錬金術師(!)が、たいへんな試行錯誤の結果、ヨーロッパで初めて硬質磁器の製造に成功します。そこから誕生したのが硬質磁器窯「マイセン」。以来300年・・・現在デパートに並ぶ食器類には、その後の長い歴史を通じて技術を伝承し、更に“より美しく、使いやすく”を追求し続けた、職人さんたちの情熱の歴史があるのですね。
そしてマイセンでは、食器類のみならず、古くから人形や動物をモチーフとした作品を制作しています。
高級な磁器、への私の安直なイメージから、動物を単なるモチーフとして用いた、きれいにきれいにつくられた置物では、と思いきや・・・
ここで、冒頭の画像をもう一度じっくりご覧ください。
・・・うちのネコ部長、こんな“表情”するする!このしっぽ、次の瞬間にピコッと動きそう!
この動物たち、いやはやなんともリアル、そしてしなやかなのです。
繊細な体の線、磁器の美しい白い地に、柔らかに表現された毛並み。
19世紀、流行の“アール・ヌーヴォー様式”をとりいれたマイセンは、その特徴である有機的曲線にあう、柔らかな色合いを実現する技法を導入。毛並みにはその技術が生かされているそう。
そんなあくなき技術追求精神と高い技術力はもちろん、特に驚くのは、動物の表情やポーズをとらえる観察眼。どれも、“生身の動物”を近くでじっくりと見ていなければ捉ええない“瞬間”で、それがみごとに再現されているのです。イヌやネコはじめ、動物が身近な人は、この「あるある!」、思わずニヤリと口元が緩んでしまうのでは?
職人たちの情熱と愛情が生み出した命。紛れもない磁器なのに、もしかして撫でたらふわっとあたたかいのでは、と思ってしまう・・・この夏、そんなマイセンの動物たちが勢ぞろいした「動物園」が開かれますよ。磁器を楽しむ、動物の姿を楽しむ、ちょっとおしゃれな動物園の空間を楽しむ・・いろいろな楽しみ方ができそうです。みなさんぜひ足を運んで、実物を体験してみてください。
『マイセン動物園展』
パナソニック汐留美術館  公式サイト:https://panasonic.co.jp/ls/museum/
開館期間:2019年7月6日(土)〜9月23日(月・祝)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日、8月13日(火)〜15日(木)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料 
〇20名以上の団体は100円割引。
〇障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
20 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

豪華列車で行くカナディアンロッキー夏の旅|観光スポットをご紹介

豪華列車で行くカナディアンロッキー夏の旅|観光スポットをご紹介

雄大な自然と絶景で知られる「カナディアンロッキー」。今度の夏のお休みに、このカナダの世界遺産に出かけてみるのはどうでしょう。それにはバンクーバーから出発する豪華列車の旅がおすすめです。美しい公園のあるバンクーバーもあわせ、観光の見どころをご紹介します。
結局、幸せとは?今すぐ自分でコントロールできる40%に注目!

結局、幸せとは?今すぐ自分でコントロールできる40%に注目!

結局のところ、幸せとは何なのでしょうか。憧れの企業に就職したり、世間より多い年収を提示されたりすれば、幸せを感じる人がほとんどですね。それでも、その幸せな気持ちは長続きしません。最近の研究では、自分で幸せをコントロール可能なことが分かってきました。
インドの大富豪から教わった「運がいい人」になる習慣のコツ

インドの大富豪から教わった「運がいい人」になる習慣のコツ

成功するためのコツや方法について、誰しも知りたいものです。サチン・チョードリー著『「運がいい人」になるための小さな習慣』 より、ちょっとだけ習慣を変えることで運がいい人になるための思考の方法をご紹介します。
ミッフィーが誘ってくれる“誰といってもそれぞれ楽しい”美術展!

ミッフィーが誘ってくれる“誰といってもそれぞれ楽しい”美術展!

「美術作品を自分の思うままに楽みましょう。」 「美術館で、本物の迫力や繊細さをじっくり味わってみてください」 ・・・と毎回力強くお勧めし、それはもちろん心からの思いではありますが、実際に“美術館に行く”って、結構いろいろな選択ハードルがあるのですよね。
今注目の「食育」に関する資格9つ!自分に合った資格の選び方

今注目の「食育」に関する資格9つ!自分に合った資格の選び方

政府が国民運動として推進する「食育」は、農水省の調査によると国民の4分の3以上が関心を持っています。食育関連の民間資格は乱立気味ですが、うまく選べば仕事に役立ったり、肩書を活かして食育セミナーの講師の声がかかり、報酬が望めるかもしれません。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部