左:《二匹の猫》オットー・ピルツ 1934~1940年頃 個人蔵
右:《二匹のフレンチブルドッグ》 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1924~1934年頃 J's collection
画像提供:パナソニック汐留美術館
右:《二匹のフレンチブルドッグ》 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1924~1934年頃 J's collection
画像提供:パナソニック汐留美術館
私の仕事場には、白茶ネコが一匹。福利厚生部長として、ワークライフバランスを重視した自由な毎日を送っています。
ネコにもいろいろな品種がありますが(部長は雑種です)、大きさ・顔立ちなどバラエティ豊かなイヌと違い、基本、ネコ。〇に△の耳二つと、ひげでもつければ、だいたい誰が描いてもネコになる。
ネコにもいろいろな品種がありますが(部長は雑種です)、大きさ・顔立ちなどバラエティ豊かなイヌと違い、基本、ネコ。〇に△の耳二つと、ひげでもつければ、だいたい誰が描いてもネコになる。
そんな明快な顔の作りながら、毎日顔を合わせていると、実に表情豊かなのに気づきます。
新しいおもちゃに満面の笑み。怒っているかと思ったら、ああ、その目は眠いだけか・・・表情やちょっとした動作の違いが読み取れるようになるのですね。
美術作品にも古今たくさんの動物が描かれていますが、私はそれがネコの場合、画の巧拙とは別に、描き方から実生活での画家とネコとの“関係性”がなんとなく感じられて、“同志”には急に親近感をもってしまうのです。
美術作品にも古今たくさんの動物が描かれていますが、私はそれがネコの場合、画の巧拙とは別に、描き方から実生活での画家とネコとの“関係性”がなんとなく感じられて、“同志”には急に親近感をもってしまうのです。
さて冒頭の画像。ある有名な磁器製作所の作品です。
「マイセン」。
現在デパートで見かける、あのマイセンです。でも思い浮かぶのは、高級なお皿やカップ・・・これは明らかにネコとイヌ。食器ではなさそう。でもマイセン?
「マイセン」。
現在デパートで見かける、あのマイセンです。でも思い浮かぶのは、高級なお皿やカップ・・・これは明らかにネコとイヌ。食器ではなさそう。でもマイセン?
ここで少しマイセンの歴史をみてみましょう。
1700年代初めのドイツで、東洋の磁器の美しさに憧れた王様がいました。その命を受けた錬金術師(!)が、たいへんな試行錯誤の結果、ヨーロッパで初めて硬質磁器の製造に成功します。そこから誕生したのが硬質磁器窯「マイセン」。以来300年・・・現在デパートに並ぶ食器類には、その後の長い歴史を通じて技術を伝承し、更に“より美しく、使いやすく”を追求し続けた、職人さんたちの情熱の歴史があるのですね。
そしてマイセンでは、食器類のみならず、古くから人形や動物をモチーフとした作品を制作しています。
高級な磁器、への私の安直なイメージから、動物を単なるモチーフとして用いた、きれいにきれいにつくられた置物では、と思いきや・・・
高級な磁器、への私の安直なイメージから、動物を単なるモチーフとして用いた、きれいにきれいにつくられた置物では、と思いきや・・・
ここで、冒頭の画像をもう一度じっくりご覧ください。
・・・うちのネコ部長、こんな“表情”するする!このしっぽ、次の瞬間にピコッと動きそう!
この動物たち、いやはやなんともリアル、そしてしなやかなのです。
・・・うちのネコ部長、こんな“表情”するする!このしっぽ、次の瞬間にピコッと動きそう!
この動物たち、いやはやなんともリアル、そしてしなやかなのです。
繊細な体の線、磁器の美しい白い地に、柔らかに表現された毛並み。
19世紀、流行の“アール・ヌーヴォー様式”をとりいれたマイセンは、その特徴である有機的曲線にあう、柔らかな色合いを実現する技法を導入。毛並みにはその技術が生かされているそう。
19世紀、流行の“アール・ヌーヴォー様式”をとりいれたマイセンは、その特徴である有機的曲線にあう、柔らかな色合いを実現する技法を導入。毛並みにはその技術が生かされているそう。
そんなあくなき技術追求精神と高い技術力はもちろん、特に驚くのは、動物の表情やポーズをとらえる観察眼。どれも、“生身の動物”を近くでじっくりと見ていなければ捉ええない“瞬間”で、それがみごとに再現されているのです。イヌやネコはじめ、動物が身近な人は、この「あるある!」、思わずニヤリと口元が緩んでしまうのでは?
職人たちの情熱と愛情が生み出した命。紛れもない磁器なのに、もしかして撫でたらふわっとあたたかいのでは、と思ってしまう・・・この夏、そんなマイセンの動物たちが勢ぞろいした「動物園」が開かれますよ。磁器を楽しむ、動物の姿を楽しむ、ちょっとおしゃれな動物園の空間を楽しむ・・いろいろな楽しみ方ができそうです。みなさんぜひ足を運んで、実物を体験してみてください。
開館期間:2019年7月6日(土)〜9月23日(月・祝)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日、8月13日(火)〜15日(木)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料
〇20名以上の団体は100円割引。
〇障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
※8月2日(金)、9月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日、8月13日(火)〜15日(木)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料
〇20名以上の団体は100円割引。
〇障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。