2018年12月26日 更新

行動経済学とは?経済学との違いや身近な例を解説

行動経済学というと、難しい数式や堅苦しい論文、聞き慣れない学問というイメージがあるかもしれません。しかし、行動経済学は私たちの生活と密接な関係にあります。上手に取り入れることで、ビジネスを円滑にし、目標達成を加速させることができます。今回は、そんな行動経済学を解説します。

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2018.12.26

行動経済学とは?

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行動経済学とは、人間の心理や感情的な側面をベースに分析される経済学です。人間は必ずしも合理的な行動をするわけではない、という考えに則って発展した学問で、それまでの経済学にはなかった新しい考え方です。
最初の研究は、1950年頃から始まったとされています。よりリアリティのある経済学を追求するべく研究が進みましたが、一般的に広まることはありませんでした。この頃の研究は第一世代(旧行動経済学)と呼ばれています。
その後、1990年代から第二世代(新行動経済学)が急速に発展し始めます。第一世代の研究や主流派経済学を踏襲しながらも、新たな代替モデルが作られていきました。
そして2017年10月には、行動経済学の権威として世界的に知られるシカゴ大学のリチャード・セイラー教授が、ノーベル経済学賞を受賞。この受賞により、これまで以上に行動経済学が注目され始めます。
ちなみに、リチャード・セイラーは第一世代の研究者で、2002年にも同じく第一世代の研究者であるダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞しています。このように、行動経済学は世界的に少しずつ浸透し始め、今や主流派の一つとして認められるまでに至っています。

行動経済学と経済学の違い

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これまでの経済学は、人間は経済的合理性に基づいて行動し、自己利益を追求する性質を持つという定義のもと成り立っていました。個人主義者としての「経済人(ホモ・エコノミクス)」という人間像をつくり、それをもとに数々の研究、裏付けが行われてきたのです。
つまり、人は自分の利益を最優先し、その利益を確実に得るために合理的な行動を取る、とされてきました。それに対し、必ずしもそうとは言い切れない、という分析を行ってきたのが、行動経済学です。
簡単に言うと、合理的に行動する人間の研究が経済学、感情に従って非合理的に行動する人間の研究が行動経済学、といったイメージです。
経済学とは本来、「人々が幸せになるためにどうするべきか?」という大きな難題に立ち向かい、答えを導き出すための学問です。「幸せ」を考慮するのなら、心理的要因をくみ取る行動経済学が台頭し、評価されてきたことは必然とも言えるのではないでしょうか。
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