2020年8月4日 更新

「自由な時間」について考える|人生が変わるタイムデザイン

時間とはなにか。投資家・経営者として「有限な時間」をどう使うか徹底的に考え抜いてきた事をこの連載でお伝えします。目標は時間にしばられないライフスタイルをデザインすること。第1回目は「自分の時間と自由について」です。 (泉正人著『TIME DESIGN(タイムデザイン)』より抜粋。)

2019.10.28

はじめに

時間とはなんだろう。
そんな疑問から、私の時間に対するこだわりが始まりました。

同じ1時間でも、楽しいディナーではあっという間に時間が過ぎ、つまらない会議は数倍にも感じる。

仕事では効率を意識して無駄もなくそうとしているが、休日は無駄な時間を過ごしている。

1年先はずっと先に感じるが、1年前はすぐそこにあったように感じる。

目に見えない時間。

でも、なんとなく時間は大切だと感じる。

子供の頃、いつも1時間目、2時間目・・・と区切られていた「時間割り」。
この頃から私たちは時間という言葉に向き合うようになります。

それから当たり前に使うようになる「時間」は 、テストの時間、習い事の時間、夏休みの時間など、誰かが決めた時間割りで時が過ぎ去っていくので、深く時間について考える必要はありませんでした。

そして高校生になると、時間とお金がリンクする時がきます。
それは、アルバイトで時給というものを知り、自分の時間がお金に変わるということを経験し、実際にお金を手にします。

そこで、時間という目に見えなかったものが、お金(お札)という見えるものに変わり、よりリアリティが湧いてくるようになります。

私はその頃、「若さをお金で買えるならいくら払ってもいい」という年配者の方の言葉を聞き、時間がお金に変えられる程の価値があるのだと、更に実感したのを覚えています。
時間があれば、〜〜できるのに。
時間がないせいで〜〜できなかった。
というのも良く耳にする話ですが、「時間」を「お金」に置き換えても同じような意味となります。

そんな価値ある時間。

それを無駄にするより、少しでも有意義に使いたいと思っている人は私だけではないはずです。

あまりにも早い母の死

私は、母の死をきっかけに26歳で会社員に終止符を打ち、独立という道を選びました。57年間という短い時間で去った母を間近に見て、私自身の今後の時間を精一杯楽しいコトに使おう!という想いが強くなったのが一番の理由でした。

その直後から時間の使い方が大きくかわりました。
私が持っている1日の中の約18時間を、来る日も来る日も仕事に使い、必死になっていた自分がいました。

なぜそこまで仕事に時間を割けたのか。

振り返ってみると実は、ただ単に楽しかった、というだけなのです。
仕事時間が退屈になることはなく、楽しい時間で、あっという間の18時間が毎日過ぎ去って行きました。
その当時、その仕事に使っている時間は、私にとってとても有意義な時間でした。


でも、そこから3年。
私は大きな時間の壁にぶつかりました。
自由がない。

仕事が楽しいからという理由で、ずっと続けている趣味のサーフィンにも行けず、家でくつろぐことも忘れ、睡眠時間をけずってまで仕事に時間を費やし、休暇を取るということに恐怖心を持つようにすらなっていました。

「本当にやりたかったのは、仕事だけではないはず…… 」
そう思った私は、仕事だけの人生から、自分の時間、つまり「自由な時間」について考えさせられる機会を得たのです。

自分の時間の使い方で

社会に出ると、自分でコントロールできる時間が増えます。
1日8時間労働、年120日休暇。とすると、1年のうちの約75%が自分でコントロールできる時間。

その一年のうちの75%もの膨大な時間の使い方で、当然人は大きく変わります。その時間の質でライフスタイルや楽しみ方も変わり、成長度も異なってくるのです。

また、フリーランスや主婦となると、100%自分でコントロールしなくてはいけなくなります。
でも、今まで「だれか」が決めた時間割りで育ち、動いてきた私たちが、今日から自分で全てコントロールしなくてはいけない状態は、逆に難しい課題がでてきます。

今まで学校でも教わったことがなく、基準もわからない。
でも、無意識に過ごしていた時間と向かい合い、自分で操作していかなくてはいけないのは頭で理解している。

10年前、そんな状況だった私が真剣に時間と向き合い、自分の時間を、どのように自由な時間にするかを考え、経験してきた事をこの本でお伝えしていこうと思います。
まずは、3つの時間概念。
時間というものを掘り下げて研究した結果、時間の概念は大きく3つに分けられるということがわかりました。

1つ目は時刻。
つまり2時15分などという時間の流れのある1点のこと。
2つ目は単位。
秒、分、時間、日、週、月、年、世紀、という単位のこと。
そして3つ目が、私たちに一番影響を与え、流れている時間を意味する「時の長さ」のこと。

至福の時間、時間が過ぎる、時間を費やす、時間が経つ、時間がとられる、 時間のかかる、時間がない、時間稼ぎ、時間の無駄、時間の余裕……。
すべて「流れている時間」を指している言葉です。


さらにフランスの哲学者アンリ・ベルクソンは、『時間と自由』(岩波文庫)の中で、2つに定義づけをしています。
1、物理的時間.......常に均質で、測ることができ、順序がある時間。
2、心理的時間.......常に均質ではなく、測ることができず、順序がない。

これらを知った時、私がいままで自由な時間をつくるためにどうすればよいか、を考えていた答えが明確化されました。


それは、
長期的な視野で「時の長さ」を俯瞰し、
短期的視野で「心理的時間」に時間を振り分ける。

言い換えると、目の前の時間をみるのではなく、10年後にどうなっていたいかという流れている時間の延長線上に「自由」を意識した上で、日々の時間は心理的に良い時間を過ごす、ということです。

そのように時間を過ごしていけば、時間をうまく扱い自由度が増し、私たち一人ひとりの人生においてのタイムデザインがうまくいくと思うのです。

お金のセンスがある人は、大金を稼ぐだけの人より、質の高いライフスタイルを送っています。
そして、時間のセンスが身についた人も、時間に縛られない自由な時間を有意義に過ごしています。
また、時間の自由をもっている人の多くは、場所の自由、お金の自由も結果的に手に入れていることが多いと感じます。
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この記事のキュレーター

泉正人 | ファイナンシャルアカデミー 泉正人 | ファイナンシャルアカデミー
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