論理的な思考力は、最悪も含めてあらゆるケースを想定して条件を設定できるような想像力から生まれます。それはビジネスで重要な「リスク管理」にもつながります。
プログラミングは行き当たりばったりの作業ではありません。自分一人だけでも「工程表」をつくり、スケジュールを管理します。システム構築の実際のプロジェクトは多くの企業や人が関わりますから、工程管理だけでなく人事管理も予算管理も資材管理も全部入ります。そんな「プロジェクト管理」の能力は小さなプログラムの製作でも鍛えられるでしょう。プロジェクト管理の能力がどんなビジネスパーソンでも必須であることは、言うまでもありません。
これもまたどんなビジネスパーソンでも必須だと言える「問題解決能力」も、プログラミングで高めることができます。プログラム自体、問題を解決するためにあるのですが、プログラミングの途中ではさまざまな問題にぶつかります。条件設定の小さなミスで全体が動かないことも日常茶飯事です。その時「問題点の把握→解決のための情報収集→解決策の検討→実行」のプロセスを試し、ダメなら最初に戻ってプロセスをやり直し、冷静に粘り強く解決に導きます。そこでは人の助けを借りられるコミュニケーション能力や、「とにかくやってみて自力で解決する」という行動力や自律心も問われます。
航空機のパイロットは、乱気流やエンジンが火を噴くなど、操縦中にさまざまな問題がふりかかるシミュレーション装置で問題解決のスキルをトレーニングします。プログラミングは、ビジネスシーンでそれこそ無数にある問題の解決能力を鍛えられる「シミュレーション装置」と言うこともできるでしょう。
「小学校必修化」が社会人の背中を押す?
プログラミングには小難しい「プログラミング言語」を操ってコンピュータを動かすイメージがありますが、それはごく一部です。大部分はビジネスパーソンがビジネスシーンで行うようなプロジェクト管理やリスク管理や問題の解決などで成り立っています。それを論理的な思考に基づいてやっています。
このプログラミングは来年2020年、小学校で英語とともに必修科目になります。学習塾の調査でプログラミングが「子どもに習わせたい習い事第1位」になるなど、親の間でも注目されています。
「このままでは、小学校で習ううちの子どもに追い越されかねない」という"危機感"も、プログラミングを学ぶ社会人の背中を押しているのでしょうか?
部下の指導・育成の悩みはプログラミングの勉強が役に立つ!?

2020年度から小学校の授業でプログラミング教育が必須化されます。それでは、これまでプログラミングというものを学んでこなかった人は特に学ぶ必要がないのでしょうか。実はプログラミングを学ぶことで、部下の指導・教育における問題も解決できるようになります。