ユニークなのはAIが「誰と誰は冷たい関係」など職場の人間関係も可視化することで、個人の心理データと合わせて利用すれば、孤立やパワハラを避けるのにも役立つそうです。
AIのバーチャル社員が人間関係を円滑に?
別の角度から働き方改革に貢献しそうなのが、Web制作会社ティファナ・ドットコム(本社・東京)が開発したAI接客・窓口システム「AIさくらさん」です。若い女性社員のアニメキャラクター「さくらさん」が音声会話で接客対応しますが、さくらさんはただの「萌え系女子」ではありません。コールセンター業務の肩代わりをすれば日本語、英語、中国語、韓国語に堪能な語学の才能を発揮。IT機器のヘルプデスクとして社員から質問を受け付け、店内の顧客行動追跡や決済機能との連携、ビッグデータ解析、各種センシング機能による業務の自動化までバリバリ行えるという”スーパーウーマン”です。
2018年7月からAIによる「メンタルヘルス機能」を新たに搭載しました。職場のメンタルヘルスを支援する「みんなの健康管理室」との共同開発で、社員の働く環境の改善を促すために精神科医、産業医の経験・ノウハウをAIさくらさんに学習させ、「産業医AI」の実現を目指しています。
AIさくらさんは社員から業務以外の心の悩みを聞き、そのストレス状態を把握して適切なアドバイスを行います。本人が同意すれば会社の人事労務部門、産業医、カウンセリングの専門窓口などに相談をつなぎます。
パワハラや人間関係のストレスなど社員が心の悩みを抱えていても、同僚や上司に相談したら秘密が守られず筒抜けになるのではないかとためらって解決が遅れてしまうことがありますが、秘密厳守が設定されたAIさくらさんなら、”女性”ならではのソフトなムードで安心して相談できるというわけです。
社員のメンタルヘルスの問題を早期発見することで社内の人間関係が円滑になり、労働環境が改善されれば、それは働き方改革につながります。AIが職場の人間関係の改善までアシストする時代がやってきています。
AI スピーカーに対する振る舞いがあなたの本性を暴露する
アレクサに対して怒鳴る人をあなたはどう感じますか。 AI スピーカーの開発が進んで会話が人間らしくなったことで、身近なAI に対する言動がその人の本性だと見なされる時代が来つつあります。そう、店員に対する振る舞いがその人の性格を暴露するのと同じように。