2020.3.21
平成時代の教訓とは
この平成の30年というのは、特に昭和生まれの人は、バブルが崩壊して、どちらかと言うと、ちょっと暗いとは言わなくても、グレイな感じであっと言う間に過ぎてしまったなという印象を持つかもしれません。
昭和は、戦争もあったし、復興成長もあったし、石油ショックもあったし、バブル経済もあった。でも、平成ってなんかサッと通り過ぎたように思えるのかもしれない。
実は、この平成の30年というのは、今振り返ればものすごく大きな変化があったということを認識することが、この2020年の時点で、将来を見渡す上で非常に重要だと、私は思います。そのように考えて新書に著しました。
昭和は、戦争もあったし、復興成長もあったし、石油ショックもあったし、バブル経済もあった。でも、平成ってなんかサッと通り過ぎたように思えるのかもしれない。
実は、この平成の30年というのは、今振り返ればものすごく大きな変化があったということを認識することが、この2020年の時点で、将来を見渡す上で非常に重要だと、私は思います。そのように考えて新書に著しました。
平成で作られた法律は昭和の2倍!
平成の30年にあった、ものすごく分かりやすい一つの例を見ましょうか。
平成の間に、法律の数は2倍以上になりました。ご存じでしたか? 平成元年、日本にあった法律は約1000本だったんです。今は2200本ぐらいあるんです。
法律が、30年の間に2倍になってるんですよ。専門家は、「立法爆発」と呼ぶのだそうです。
特に昭和世代の方は分かると思いますけども、平成になる前に、この国に、個人情報の保護なんて観念、なかったですよ。「ストーカーはいけない」といいます。ストーカーなんて概念も、なかった。セクハラ・パワハラという概念もなかったんですよ。
昭和の株式会社には、ほとんどセクハラ・パワハラばかりやっていた会社がたくさんあったと思うのです。気がついてみると、平成30年間で、私たちの社会の概念はものすごく変わっています。
平成の間に、法律の数は2倍以上になりました。ご存じでしたか? 平成元年、日本にあった法律は約1000本だったんです。今は2200本ぐらいあるんです。
法律が、30年の間に2倍になってるんですよ。専門家は、「立法爆発」と呼ぶのだそうです。
特に昭和世代の方は分かると思いますけども、平成になる前に、この国に、個人情報の保護なんて観念、なかったですよ。「ストーカーはいけない」といいます。ストーカーなんて概念も、なかった。セクハラ・パワハラという概念もなかったんですよ。
昭和の株式会社には、ほとんどセクハラ・パワハラばかりやっていた会社がたくさんあったと思うのです。気がついてみると、平成30年間で、私たちの社会の概念はものすごく変わっています。
日本は長時間労働の国? 間違いです。実はアメリカよりも短くなっている
さらに言えば、日本人の労働時間、平均労働時間は、この平成の間に、約20%短くなりました。一部にまだブラック企業みたいな困った企業があって、そういうところは、きちっと対応しなければいけない。これは間違いないのですが。
でも、平均の労働時間は、明らかに短くなってます。たぶん、昭和生まれで、昭和で働いておられた方の実感として、これ、お分かりだと思います。以前に比べれたら、30年前に比べたら、日本人、働かなくなってますよ。2割短くなってるんです。
日本の平均労働時間は、まだドイツや北欧よりは長いんですけれども、もう実は、製造業の平均労働時間だけ取ると、今、アメリカより日本のほうが、ちょっと短くなりました。ご存じでしたか? 韓国よりは、20%ぐらい短いです。
でも、平均の労働時間は、明らかに短くなってます。たぶん、昭和生まれで、昭和で働いておられた方の実感として、これ、お分かりだと思います。以前に比べれたら、30年前に比べたら、日本人、働かなくなってますよ。2割短くなってるんです。
日本の平均労働時間は、まだドイツや北欧よりは長いんですけれども、もう実は、製造業の平均労働時間だけ取ると、今、アメリカより日本のほうが、ちょっと短くなりました。ご存じでしたか? 韓国よりは、20%ぐらい短いです。
日本は貯蓄率が高い国? 間違いです。現在 G7では最も貯蓄率の低い国
そしてもう一つ。貯蓄率です。日本は貯蓄率の高い国だという風に知られていました。確かに、平成の最初、日本の貯蓄率は20%弱で、ドイツと並んで最も高い部類に入ってました。しかし今、日本の家計の平均貯蓄率は、4%ぐらいなんですよ。これは、G7、さらには、先進工業国の中で言うと、スペインと並んで最も低い貯蓄率の国に、日本はなったんです。
その理由は、極めて簡単です。高齢化です。リタイヤ、要するに、退職した人をイメージしてください。退職した人は、基本的に、所得はあまりありません。でも、消費はしなければなりませんよね。これは、年金まで含めて、要するに、取り崩ししているんです。年金も個人の預金も、取り崩しして生きているわけですから、リタイヤした方の貯蓄率は、平均してマイナスなんです。
そして今、貯蓄率マイナスの人がどんどんどんどん増えていっているわけですから、平均して、加重平均したら、貯蓄率、家計の貯蓄はどんどんどんどん下がっていきます。
これは、1990年代の最初に、一部の経済学者が予測したんですけれども、そのとおりのことが起こりました。
そして今、貯蓄率マイナスの人がどんどんどんどん増えていっているわけですから、平均して、加重平均したら、貯蓄率、家計の貯蓄はどんどんどんどん下がっていきます。
これは、1990年代の最初に、一部の経済学者が予測したんですけれども、そのとおりのことが起こりました。
日本人は長時間働いて高貯蓄するというイメージを、いまだに持ってる人が多いかもしれませんけど。もう全く違うということです。日本は、長時間労働の国ではないし、高貯蓄の国では全くなくなっている。これだけの変化が実は起こったということです。