2017年10月20日 更新

相手のお金の教養STAGEを意識する〜『お金原論』[第3回]〜

「お金」とは何か ── 。このシンプルな命題に、現代の視点から向き合おうというのが『お金原論』という新しい学問だ。現代において、私たちの生活とお金とは一蓮托生だ。お金の悩みから解放され、自由な時間を産み出し、心に描く夢のライフスタイルを実現したい。そんなあなたへ。

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2017.8.1
『お金原論』という本の命題は、「お金とは何か」ということ。
「お金」という軸を通じて自分自身をニュートラルに見ることができれば、人生をもっともっと楽しめるようになるだろう。
これから毎回、『お金原論』の中身を少しずつ伝えていく。すべてが賛同を得られるものであるという確信はない。しかし、生活や人生と切っても切り離せない「お金」というものについて、1人でも多くの人に「お金とは何か」という議論に加わっていただければ幸いである。

相手のお金の教養STAGEを意識する

仮に今、手元に1,000万円のお金があるとしよう。これをどのように増やしていけばよいか、どうすれば将来の蓄えを増やしていけるのか、誰かにアドバイスを求めるとしたら、あなたは誰に聞くだろうか。
多くの場合、すでに資産運用を始めている会社の同僚に雑談がてらに聞いたり、銀行や証券会社の窓口の人に聞いたり、ファイナンシャルプランナーの資格を持っている保険のセールスマンに聞いたりするのではないだろうか。
果たして、これらは正しい行動だろうか。
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試しにこれを自分の体に置き換えて見てみよう。
数日前から右の胸の奥がズキズキと痛むようになった。明日になれば治るかと期待して床に就くのだが、翌朝になってもやはり痛みは治まらない。この痛みから解放されたいと思ったとき、当然ながら「病院に行く」という判断になるはずだ。 
しかし、そこで歯科に行く人はいない。眼科に行く人もいない。外科に行く人もいない。多くは、内科や呼吸器科などの医師の診察を受け、意見を求めるだろう。身内や友人に聞く人もいるだろうが、その場合でも、正しい情報はあくまでも医師が持っていると誰もがわかっている。さらに、医師の中でも町医者もいれば専門医もいる。もしも芳しくない病気であったなら、できるだけ実績のある専門医に診てもらいたいと思うだろう。スポーツにたとえてみてもわかりやすい。
もし、あなたに息子がいて、「世界で活躍できる野球選手になりたい」と言ったとしよう。親としては、なんとかしてその望みを叶えてあげたい。
そのとき、次の4人の中から誰にアドバイスを求めるだろうか。
1人目は、世界で活躍するイチロー選手。世界で誰もが認めるプロフェッショナルだ。
2人目は、同じ名前だが、ニュースキャスターの古舘伊知郎氏。長年、報道番組のキャスターを務めていただけあって、野球のことも詳しい。
3人目は、プロ御用達の野球用品店の店長である。野球用品については日本でトップ10に入るくらい知識がある。
4人目は、テレビの前で酒を飲みながら「おまえ、今のはボールだろう!」とヤジを飛ばしている生粋のプロ野球ファンだ。
おそらく、状況が許すのであれば、誰もがイチロー選手にアドバイスを受けたいはずだ。
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さて、もう一度、お金の話に戻ってみよう。 
1,000万円を増やしたいと思っている人が、金融機関の窓口に行って相談をする。これは、野球用品店の店員や店長にアドバイスを乞うているのと何ら変わりない。野球用品店ではバットやグローブなどの野球用品を売り、金融機関では投資信託や株式などの金融商品を売っている。違いはそれだけだ。一般的に「金融のプロ」と思われている人たちの多くは、金融商品の販売ショップに勤める会社員なのだ。
本当に、その人たちに資産運用の相談をしてよいのだろうか。本当にその人たちにアドバイスをもらいたいだろうか。さらに、そのアドバイスは正しいだろうか。
私なら、野球でいえばイチロー選手に、資産運用でいえば世界で最も結果を残しているウォーレン・バフェット氏に聞きに行きたい(実際に可能かどうかは別として)。 
新聞や雑誌などでコメントをしている経済評論家の意見を参考にしたい、という人も多いかもしれない。
しかし、経済やマーケットの動きを予測するという仕事に就いている経済評論家は、野球でいうと古舘氏と同じだ。知識があるので発言にも説得力があるが、彼らの職業は、「会社員」や「自営業」であり、労働によって収入を得ている。私の周りにも経済評論家が何人もいるが、実際に資産運用で成果を出している人は希少であるし、安定して利益が出せるのであれば、そのほうがより効率的に稼げるはずなので、そもそも評論家の仕事に就く必要がないともいえる。
彼らが悪いと言っているのではない。そういった視点から客観的に見て、誰にアドバイスを求めるのが正しいのかを見極める必要がある、ということだ。
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