2019年3月11日 更新

AIによって「新たに生まれる」職業とは。 「人間の仕事はなくなる」を恐れる必要はない理由。

AIの台頭で失業者が将来続出するという恐ろしい予測。自動改札機の登場で切符切りがいなくなったように、AIによって失われる仕事があるというのです。 これを聞くといつも「ぼやぼやしていられないな」と思わされてしまいます。 AIの台頭は本当に多くの失業者を生むのでしょうか。

2018.5.19

「シリコンバレーより南武線」こそ、新しい雇用の象徴

結論から申し上げましょう。
確かに、AIによって無くなる仕事はありますが、AIの台頭によって生まれる仕事の数はそれを凌駕するのです。
ニューズウィーク日本版「「AIが人間の仕事を奪う」は嘘だった」で、海外発のニュースを特集しています。
AI導入企業では、新規雇用が増えているというレポートです。
・AIの台頭で2020年末までに180万人が失業するが、230万人が雇用される。
 結果的に50万人の雇用が増えた。(アメリカ)
・AI導入企業の83%で、新規雇用が創出された。(フランス)
・自動化によって低レベル雇用80万人が失業したが、350万人が新規雇用された。  
新規雇用の平均年収は1万3000ドル増であった。(イギリス)
日本でも、2016年9月に行われたカンファレンス
「IoTやAIによって人間社会はどう変わるのか?」
で、既にこんな意見が発表されていました。日立製作所における、AI関連の新規雇用の実例です。
“我々、日立の置かれている状況も全く同様で、色々な分野の寿命が尽きた事業の人たちが、どんどんAIの分野で仕事を創っています。どこが仕事を奪っていますか、むしろ仕事を創っていますよ、と感じています。”
日立製作所・矢野和男氏は、AI導入が新たな仕事を創出している事実を強く訴えました。矢野氏は、AIの台頭が人間の仕事を奪うと勝手に妄想するのではなく、雇用が生み出されている現実を見る必要性を訴えています。
この記事は、最近話題になった電車の中吊りを彷彿とさせるものがありました。
「シリコンバレーより南武線のエンジニアが欲しい」というコピーを聞かれたことがありますか?自動運転技術のエンジニアを確保したいトヨタ自動車が、東芝のITエンジニア向けに出した中吊りポスターです。当時、東芝の業績悪化のニュースは連日報道されていました。
これは、AIが基幹技術である自動運転技術を担うエンジニアを、トヨタがヘッドハントしようとしたキャッチコピーなのです。
この一件は、AIによって雇用が創出されていることを証明しているといえます。
東芝の経営危機だけを見ていると衰退しか感じません。
しかし世の中を見渡せば、先端テクノロジーの担い手に対する莫大な需要が生まれていることは事実です。
時代によってエンジニアの受け皿が変化するように、私達も働く先が変わるだけなのかもしれません。

「AIer」こそ、AIによって新たに生まれる職業

日立製作所の矢野氏は、「AIer」という新たな仕事を、これからものすごく需要がある職業として紹介しています。
AIerとは、どんな職業なのでしょうか。
Youtubeの仕事をしている人をYoutuber(ユーチューバー)と呼ぶように、AIerはAIの活用方法を設計する人のことです。今後、AIはあらゆる分野に登用されていくのですから、AIerは引っ張りだこの職業になるでしょう。
子供のなりたい職業ランキングにも登場するかもしれません。
子供たちの大好きなYoutubeにも、ついにAIのYoutuberが登場しました。
AI Youtuberキズナアイちゃんはもうご存知ですか?彼女は2016年にチャンネルを開設しました。登録者数は既に180万人を超えています。
AIは、子供に絶大な力を持つといいます。

思春期の子供は、親から
「宿題をしなさい」
「歯を磨きなさい」
などと言われるのが大嫌いですよね。しかし、AIに宿題をやるように言われると素直にやるというのです。
AIはもしかしておじいちゃんおばあちゃん、近所のお兄さんみたいな存在なのでしょうか?
計り知れない教育効果も、AIに見込めるのかもしれません!
23 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

ブロックチェーン、AIで先行くエストニア!「つまらなくない未来」の作り方

ブロックチェーン、AIで先行くエストニア!「つまらなくない未来」の作り方

欧州バルト三国の一国として知られる「エストニア」について紹介した本。と言っても、観光情報を紹介するのではなく、今この国が世界の注目を集めている“あるモノ”についての貴重な現地レポートです。
富裕層の資産運用の世界的トレンドは?仮想通貨投資とIT活用に注目

富裕層の資産運用の世界的トレンドは?仮想通貨投資とIT活用に注目

富裕層による資産運用の世界的トレンドは、現在どのようになっているのでしょうか。日本では超低金利が続き、資産運用のポートフォリオにも頭を悩ませる方が少なくないはずです。今、世界の富裕層が何に注目して資産運用を行い、高いパフォーマンスを叩き出しているのか、参考になることもありそうです。
AIは日常風景へ。暮らしの中のAIから森ビルの実証実験まで

AIは日常風景へ。暮らしの中のAIから森ビルの実証実験まで

AIなんて遠い世界のことだと思っていませんか。AIを活用した機能やサービスは世界中で広まっており、私たちの普段の生活の意外なところでAI技術が使われています。森ビル株式会社が行う実証実験も日本のAI時代を切り拓く一つの鍵となりそうです。
「天才」と「AI時代人材」の育て方がわかる!落合陽一の教育本

「天才」と「AI時代人材」の育て方がわかる!落合陽一の教育本

筑波大学准教授、経営者、メディアアーティストと多方面に才を持つ落合陽一氏。 “触れて変形させられるプラズマ光”や「ピクシーダスト」という“音で物を浮かべる技術”は、STAGEでも紹介しました。そんな彼が「学び」について執筆。自身が受けた教育にも触れ話題になっています。
メルティンMMIが目指すヒトとサイボーグの未来とは

メルティンMMIが目指すヒトとサイボーグの未来とは

粕谷昌弘氏は、2018年「30 Under 30」で世界の注目すべきアジアの30人に選ばれました。「AIやロボットの先を行くサイボーグを研究開発しています」と語る粕谷氏は、サイボーグスタートアップとして設立された株式会社メルティンMMIのCEO。MMIはマン・マシン・インターフェースの略です。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

STAGE編集部 STAGE編集部
お金の教養講座
お金と投資のセミナー情報(無料)

お金の教養講座

おすすめ

お金の教養講座

⼤⼈として知っておきたいお⾦の知識。
⼈⽣そのものを充実させるためのお⾦の基礎講座

月5万円で資産1億円を目指すゴイチセミナー

1億円を作った人が実践してきた「資産運用のルール」を真似しよう


ファイナンシャルアカデミー公式SNS