2017.10.12
夢を追い続け世界の頂点に立ったバルーンニスト藤田雄大さんに、その力の源をお聞きしました。
子供の頃から、いつも気球が身近だった
STAGE編集部:まずは、熱気球の競技について教えていただけますか?
「熱気球競技はポイント制のゲームになっています。目的地が決められていて、そこにいかに近づけるかというのを争っています。近づいたところで砂袋を投げるんですが、それが自分がここまで来たという証明になるんですね。それで全員が投げ終わったところで、一番近くに落としていた人が1,000ポイント。距離が離れていくごとにもらえる点数が下がっていきます。これをゴルフのコースを回るように、1個終わったらまた次の目的地を目指して……という流れでやっていき、トータルのポイント数を競って優勝を決めます」
STAGE編集部:バルーン競技を始めたきっかけというのは?
「両親が、自分が生まれる前からやっていまして、本当に小さい時から身近なところに気球がありました。乗り始めたのは、もう母のお腹の中にいるときからで、真剣に競技を始めたのは中学の後半ぐらいからだったと思います。
初めて大会に出たときのことはよく覚えていますね。実際に操ってみると、すごく難しいなと感じました。でも、今まで見てきていた憧れのパイロットよりもちょっとでも内側に砂袋を投げられたというだけですごく嬉しかったです。そのちょっとの「うれしい」の積み重ねでどんどんのめり込んでいった感じですね」
STAGE編集部:両親からの思いを受け継ぎ、自然とバルーンの世界にのめり込んで行った藤田。が、もちろんそれだけで勝てるわけではない。スペシャリストがしのぎを削る世界で勝つために必要な要素とは?
「本当にいろんな要素が絡んできます。フライトでいえば、パイロットの技術や判断力が問われます。あと、実は下にいるグランドクルーが本当に重要なんですよ。クルーが先回りして地上の風がどうなっているかを教えてくれるので、そのデータをもとに、どうやってアプローチするかを考えるんです。意外と上と下でバタバタと忙しいスポーツで、チームの戦略がすごく鍵になります」
STAGE編集部:パイロット以外の方の役割はどういったものなのですか?
「ドライバーさん、そして結構マニアックな道を入っていくのでナビゲーターとして地図を読める方、また無線で通信をするので、その無線担当もいます。あとはゴールに着いたときに風船を飛ばして角度が何度だとか目視できるように旗を広げることも必要ですので、合計4、5人でやっていますね」