2018.3.24
長きに渡る王座防衛の後に陥落、そこからの劇的な返り咲きという唯一無二のボクシング人生の経験は、どのような形で今に活きているのでしょうか?
ボクシング人生。そのスタートは決して順調ではなかった。
STAGE編集部:プロ生活17年で築いた輝かしいキャリア。そのはじまりとは?
長谷川:父親がプロボクサーだったので、その影響もあり小学校2年生から教えてもらいました。でも中学校では卓球部に入ってボクシングを離れ…再開したのは高校を中退した時ですかね、都会に出たいからボクシングするという理由で(笑)。そこから自然と目標がプロになっていきました。
トレーニングの合間に靴屋・時計屋などのバイトもやっていましたけど、30万円くらい借金もしました。「これ永遠に返されへんわ!」と思っていましたね。
STAGE編集部:駆け出し時代。やはりボクシングの試合だけでは食べていけなかった。
長谷川:全然でしたね。チケットで10万円分ぐらいしかもらえないです。現金ではなくてチケットを自分で売って、売った分だけお金になって、それでマックス10万円。試合は3カ月に一回のペースだったので、バイトが時給850円、900円に上がったりするとめっちゃ喜んでいたのを今でも覚えていますね。
STAGE編集部:デビュー5戦の成績は3勝2敗。これは、世界チャンピオンとしては珍しいほど悪い成績。しかし、ボクシング人生を変える大事な一戦を経験することに…
一度負けた相手へのリベンジが転機に
STAGE編集部:ボクシング人生を変えた、ある試合とは?
長谷川:デビュー3戦目である相手に負けたんですけど、僕はその相手の「全日本アマチュア社会人チャンピオン」みたいな肩書きに委縮して負けてしまったんです。