2019.12.25
決断することで思考は深まる
こういった正解不正解のない問題を考える思考実験の目的は、自分の考えを確立したり、自分を知ったり、思考をまとめる力を育てることなどにあります。
006ページより引用
パズル作家として、企業のキャンペーンやWEB・書籍・テレビ番組などに向けたパズルを作成している著者。本著は、27の質問に対して2つの選択肢が提示され、はたしてどちらを選択していくのかという問いかけが提示されています。アンケート調査によって、自分が選択した内容が多数派なのか少数派なのかわかると同時に、その理由が記されています。
質問のカテゴリーは、「思考の選択」「命の選択」「近未来の選択」「倫理の選択の4つ」。2つの選択肢は、どちらかが正しくてどちらかが間違っているとは簡単に言いきれない内容ばかりです。
私たちの日常は、大小さまざまな選択を迫られています。ときには、自分で考えることをやめて思考停止に陥ってしまったり、その場の流れにのまれてしまうこともないとはいえません。
私たちの日常は、大小さまざまな選択を迫られています。ときには、自分で考えることをやめて思考停止に陥ってしまったり、その場の流れにのまれてしまうこともないとはいえません。
思考実験をしていくことは、自分の考える傾向を知るだけではなく、新たな発想を得るための手がかりになると著者はいいます。自分ならではの思考の法則を獲得することにもつながるのだとか。そのようにしてわかった自分の意見を、人に伝えられるようになるまで考え抜くことが重要であるといいます。
決断を迫られたとき、人の思考は深まっていきます。自分の頭で考えて決断し、表現することで、思考の幅はもっと深まっていくといえそうです。
決断を迫られたとき、人の思考は深まっていきます。自分の頭で考えて決断し、表現することで、思考の幅はもっと深まっていくといえそうです。
自分の思考傾向を知る
ある日、あなたの目の前に1人の老人が現れ、こんなことをいいました。「あなたはこの先13年以上寿命のある方のようですね。さて、ここでボタンを押すと、あなたの寿命が10年短くなります。その代わりに、あなたはこれから働かなくても良くなりますよ」
060ページより引用
2章「命の選択」の中には、「寿命換金ボタン」という思考実験が紹介されています。
ごく平均的な収入と貯蓄がある「あなた」は、ボタンを押すと10年寿命が短くなる代わりに、働かずに暮らせるだけのお金が毎月銀行口座に振り込まれるのだといいます。
そして、こんな2択が提示されています。
A 10年の寿命を換金する
B 寿命を換金しない
そして、こんな2択が提示されています。
A 10年の寿命を換金する
B 寿命を換金しない
この思考実験は、働いてお金を稼ぐか、寿命をお金に換えるという選択について考える内容です。多くの人は仕事をすることに時間を費やしています。楽しい仕事もあれば、辛い仕事もあることでしょう。そして、仕事によって社会とのつながりを得るという別の一面もあります。何事も命あってのものであり、一年でも長く生きて新たな未来を見てみたいという考えも真理です。
アンケートの結果によると、「寿命を換金しない」が約7割で多数派であったといいます。楽をして生きるのではなく、苦労しても長生きしたいと考える人が世の中には多いということがわかります。
自分がそのジャンルに対してどんな思考をするタイプなのか。そして、世間一般的な考えはどうなのかがわかるだけでも、新たな自己理解につながりそうです。
自分がそのジャンルに対してどんな思考をするタイプなのか。そして、世間一般的な考えはどうなのかがわかるだけでも、新たな自己理解につながりそうです。