2018.10.22
「あなたの傷を知恵に変えなさい」
テレビ番組の司会者、プロデューサー、女優、慈善家と、幾つもの顔を持ち、毎年フォーブスが選ぶ世界富豪ランキングの上位に名を連ねるビリオネアのオプラ・ゲイル・ウィンフリーは、ゼロからどころかマイナスから出発した不幸な幼少時代を過ごしています。
未成年の未婚の両親が思春期の一度の過ちで「できちゃった」のがオプラで、彼女はそのことをトーク番組でいつも「一発屋の子供」と笑い飛ばし、何故自分がそうして生まれたのか、自分の生の意義をプラスに肯定することが大事だと彼女は言います。
家を転々とした複雑な家庭ながらも、幼稚園で才能を発揮し小学校に飛び級するほど頭の良かったオプラでしたが、9歳の時から叔父から性的虐待を受け続け、14歳で妊娠し子供を生後1週間で亡くすという悲惨な思春期を過ごしています。その心の傷は後に、性被害で苦しむ世界中の人々に前に進む勇気を与え、自分の負の経験は彼らの「自己肯定」の手助けをするためにあるのだと認識し、自分の不幸な過去を閉じこめるのではなくその意義を肯定しています。
「直感に従いなさい。それでこそ、真の知性が発揮される。」
成功するためにはまず、自分が何をしたいのかを知ることにあるとオプラは言います。この本能から発する小さな声は、世間の雑音の中にいるとなかなか聴こえないものです。自分がやりたいことを見つけるのが難しいなら、まず「何をやりたくないのか」を知ることが大事です。「やりたくないことを自分でちゃんとわかっていれば、本当にやりたいことは何かを探すことができる。」と彼女は言います。
彼女が23歳の時勤めていたTV局で、「この上司とは一緒に仕事ができない」と悟ると潔く彼の元を去り、その数年後彼と同じ位置に立つことになります。やりたくないことを無理にする必要はないのです。「自分を輝かす物が何かを知りましょう。そうすれば、自分のやり方で、世界を明るく照らすことができるようになるわ。」
「欲」をマイナスにとらえる人も多いですが、実は成功するには「欲望」は必要不可欠な本能なのです。何がしたい、何が欲しい、と自分の欲求を頭の中で描いてみましょう。成功者の中には欲しいものを列記せよ、という人もいます。オプラが成功したのは、無理と諦めずに欲しいものを勇気を出して求めたからです。
「人に与えたものは自分に戻ってくる」
自分が何をしたいのか見つかったら、次にそれを他人のために行うことが大事だとオプラは言います。彼女を有名にした人気トーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」では、話を聞くことで相手と自分、そして視聴者との間に絆を作り、深め、皆がより高い自己認識に結び付けることができるように手助けし、この「自己認識の支援」が彼女の使命でありかけがえのない喜びだったようです。