2018.3.8
世界の成長に分散する
私たち日本人は日本に住み、日本語で会話し、日本円で生活をしています。ただ、資産を増やすためには日本以外にも、つまり海外にも目を向けて上手に活用する必要があります。それは本の経済成長力に関係しています。IMFの発表によると2018年の世界の経済成長率は3.9%、2019年も3.9%と安定した高成長を維持しています。しかし日本の経済成長率はというと、2018年は1.2%と世界の約3分の1です。2019年は0.9%とさらに低下し世界との差は広がっています。ちなみに、同じ先進国である米国は2018年2.7%、2019年は2.5%、欧州は2018年が2.2%、2019年が2.0%と高く、日本は先進国内でも明らかに低成長の国といえます。
一方、中国やインドなどの新興国と呼ばれている国々はどうなのでしょうか。2018年の中国の成長率は6.6%、2019年は6.4%、インドはもっと成長見通しが高く2018年は7.4%、2019年は7.8%と高成長です。やはりみなさんのイメージと同じように、新興国のほうが成長性が高いことが確認できます。
アセット・マネジメントを行う富裕層は、資産の一部をこのような高成長の国(新興国)に資産を振り分けることを検討します。新興国の経済規模は先進国に対してまだまだ小さいのですが、株価や資産価値の上昇は規模ではなく成長率に連動します。アセット・マネジメントにおける新興国への投資は、先進国の期待リターンとリスクも高くなることを考慮しつつ、高い成長への投資を行うこともポートフォリオ上欠かせません。また、成長性の高いエリア、国に振り分けるのは、イメージだけで投資判断を行なわずに、インフレ率や経済指標を参考に判断していくことが大切です。
通貨も分散させる
世界の成長性の高い国に投資資金を振り分けていくことで、実は自然に円が外貨へと分散されていきます。
例えば、円だけだった資産が、米ドル、ユーロ、元、レアルなどに振り分けられるます。はじめもこのような話を聞いた方は、通貨が広く分散されると、その分だけリスクが高くなったと思うかもしれません。しかし、通貨の分散は世界的な観点で見ると資産を保全してくれるという役割があります。
通貨の大きな特徴に通貨の価値は相対的に評価され決定されるというものがあります。すごく簡単に言えば、世界同時通貨不安でも起こらない限り、円も米ドルもユーロも元もすべてが同時に価値がゼロになることはありません。評価を下げて下落する通貨があれば、その一方で評価を上げ上昇する通貨があるということです。だから、ドル安円高、ドル高円安ということになります。ということから、通貨の分散はアセット・マネジメントでは資産を守る大きな役割を持っているとされています。ただし、円ベースで換算すると価値が上下することがありますが、アセット・マネジメントにおいては世界の中における価値の維持ということを目的にしています。
ちなみに株式は絶対評価です。株式は、企業価値と需給で株価が形成されますが、もし全ての会社の業績が同時に悪化した場合は全ての株価が同時に大きく下げることが起こりえます。相対的に評価を上げるような株はありません。だだし、そんな中でも良い銘柄として選好されることはありえますが、基本的にはその株の絶対価値のみで評価されます。このようなことを意識しつつ富裕層は通貨を分散し資産を保全してきます。
富裕層になった人が共通して得意にしてきた、”あること”とは?

富裕層になる人、若い頃に頭角を現す人には、共通するある得意なことがあります。