若者の外部環境の好転を待ってはいけない
注目したいのは世代効果の影響が小さく年齢効果、時代効果の影響が大きいものです。クルマはありませんが、海外旅行、ゴルフ、新聞、本、お酒などが入っています。わかりやすく言えば、余裕があれば若いうちに○○を買いたい、やりたいと思っているが、外部環境がそれを許さない、ということです。
「若者の○○離れ」と言っても、若者がその価値を全く認めないわけではありません。たとえばゴルフは、面白い、健康にいい、社交に役立つなどプラスの価値は認めていて、「あんなダサいスポーツ、絶対やらない」と思っている若者は少数派です。「ゴルフ、いいですね。若いうちに始めてみたいけれど、先立つものがなくて……」とあきらめている若者は、けっこういるようなのです。
しかし、ゴルフ関連業界は若者のふところ具合の改善を待っていてはいけません。若いうちに始めてもらわないと、一生ゴルフとは縁がなくなります。ためらう若者の背中を押すには、その負担を軽くして気軽に始めやすくなるような、思い切った施策が必要です。
トヨタ自動車は今年2月、税金や保険込みで毎月一定額を支払えばトヨタの乗用車を借りられる「KINTO(キント)」を発表しました。若者のクルマ離れに待ったをかけて乗り続けてもらうには、良いアイデアです。
商品やサービスには、メインターゲットの若者が減って消費が落ちたものも、構造的な問題で全体の消費が落ちたのを若者のせいにしているものもあるようですが、その若者のライフスタイルや好みは昔と大きく変わったわけではありません。「○○離れ」と言っても、「○○嫌い」になったわけではないのです。
エシカルとは? 日常のエシカル消費で世界の緊急課題解決 へ

エシカル消費は、環境・人権・社会問題解決に向けた消費の考え方。貧困・人権・気候変動といった問題を放置していれば、地球は人間が持続可能な生活を営める場所ではなくなってしまいます。日々の消費から、世界の緊急課題に取り組んでいきませんか。