2018.8.20
そんな本書のテーマは、ズバリ本音で生きる方法。たとえ世間の批判を浴びようがズバズバ本音を言い放つ自由な姿勢は堀江氏の代名詞とも言えますが彼はなぜ、どんな時でも本音が言えるのか?その理由や考え方などが記されています。
仕事やプライベートにおいて、様々な理由で「本音が言えない、本音で生きていけない」という悩みを抱えている人は非常に多いと思いますが、本書の中に解決のヒントがあるのでしょうか?それでは、中身に迫ります。
議論は平行線で構わない!
本音が言えない悩みを持つほとんどの人が「本音を言うことで人間関係が悪くなるかもしれない」「相手を怒らせてしまうかもしれない」と考えているのではないでしょうか?しかし、そんな心配を堀江氏は一蹴。「議論は平行線のままで構わない」と言い切ります。
その理由は、たとえ意見がぶつかり議論がかみ合わないままになったとしても『お互いの価値観が異なっていることが分かる』という収穫があり、その価値は相手を知るうえで大きなものだからです。
実際に対談やSNSを通じて積極的に人とぶつかり合おうとしている堀江氏。それは相手が嫌いだからでも人格を否定するためでもなく、新しい発見が得られることが多く、さらに相手を知るための有効手段だととらえているから。「議論は一致しなければダメ」「意見の不一致=相手のことが嫌い」という先入観を捨て去ることが、本音を言うための第一歩なのではないでしょうか。
本音で生きるためには「バランスをとるな」!
「やりがいのある仕事をしたいが、家族や趣味の時間も大切にしたい」。このようなバランスを求めながら「本音で生きたい」という人に、堀江氏がかける言葉は…「バランスを維持したまま、新しい事など出来るわけがない。心躍る体験を味わおうとすれば、そのために費やす時間も必要になるし失敗のリスクもある。」という厳しい言葉。
エキサイティングな人生を送るには、物事はすべてトレードオフであり例外はないという事を念頭にリスクを取る行動をしなければならなりません。よく「やりたい事はあるけど、仕事が忙しくて時間がない。」という言い訳が浮かんでしまう人も、本音で生きるためには発想を転換する必要があるようです。
本音で生きられない最大の理由!?「自意識」と「プライド」を打破せよ!
「すごい自分でなければならない」という感情や「嫌われるかもしれない」という不安はすべて自身のプライドの高さからくるものですが、堀江氏曰く、そういう人ほど堀江氏に「今が飛びつくべきチャンスなのか、どうやって見分ければいいのですか?」といった(見当違いな)質問をしてくる傾向にあるのだそうです。
しかし、嫌われることや失敗して恥をかくのを恐れて小利口にふるまうのが一番ダメ。逆にプライドを持たずノリで動ける人ほど結果的にチャンスをつかむことができるといいます。ちなみに、その一例として芸人の猫ひろしさんがカンボジア代表のマラソン選手になった時の意外なエピソードが紹介されていました。
なんでも、芸人として伸び悩んでいた猫ひろしさんの相談に乗った堀江氏が、特技がマラソンだと言う話を聞いて「オリンピックに出ては?」と提案したのだそうです。もちろん彼の記録では日本代表にはなれなかったので、「カンボジア代表で」という突拍子もない条件つきだったのですが、彼は「それいいですね!やばいですね!」と即快諾。
結果的にオリンピック出場はギリギリのところで叶いませんでしたが、今もカンボジア代表として大会に出場して現地では大人気に。日本でも「マラソン芸人」という確固たる地位を作り出しました。この成功は、プライドが高く「恥ずかしい」という感情が少しでもあったら掴めなかったはずです。
さらに、堀江氏自身もこの本の出版後にピン芸人として「R-1ぐらんぷり」に出場。人気者の堀江氏が“面白くない”と評価されることは「リスクが大きすぎるのでは?」と無関係の私ですら驚きましたが、当の本人は周囲の心配もよそに大活躍。しっかり笑いも取って、普通では得難い経験まで手に入れました。
幼少期から本音を言い続けてきた堀江氏にとって、本書を上梓するまでは「本音を言わずに、何か良い事があるのか?」「なぜ本音で生きないのか意味が分からない」と思っていたそうですが、その理由を彼自身が頭の中でかみ砕き、言葉にしてくれたことで多くの人の参考になるアドバイスが生まれました。
紹介しきれなかった言葉もたくさんありますので、本音で生きたいけど現状そうではないと言う人は一読の価値ありだと思います。