STAGE2 環境依存型
目の前の生活に対しては大きな不安なく過ごすことができている。収入も安定している。ただ、貯蓄は少しずつ増えているものの、将来に対する漠然とした不安を消すことができないままでいる──こういった状態にあるのがSTAGE2だ。日本全体を見渡すと、私たちの多くは、おそらくこのSTAGEなのではないだろうか。
貯蓄もでき、安定した生活をすることができているにもかかわらず、将来への不安を打ち消すことができないのはなぜか。それは、今ある状況が、自分自身で築き上げたのではなく、周りの環境によって与えられたものだからだ。ゆえに、社会・経済情勢が変われば、自分の生活が一変するのではないかという不安を心のどこかで抱え続けてしまうのだ。
近年では所得格差の広がりが社会問題として取り上げられることも増えてきたが、世界的に見れば日本はまだまだ一億総中流社会であるともいえる。学校を出て、企業に就職をすれば、多くの場合、STAGE2からのスタートだ。ロールプレイングゲームやパズルゲームのように、STAGE1から順番に上がっていかなければならないルールはない。
しかし、同じSTAGE2からスタートしても、その後、社会人としての経験を重ねていったからといって、自然とSTAGEが上がっていくわけではない。何年、何十年経っても、ずっとSTAGE2のままというケースは決して少なくないし、むしろこちらが主流であるともいえる。
STAGE2の人がお金の教養STAGEを上げ、将来に対する漠然とした不安から解放され、豊かなライフスタイルを手に入れるためにはどうすればよいのか。それは、自分自身の「頭脳」に投資をすることだ。
資産運用をするにしても、ビジネスを起こすにしても、このSTAGEの人が持っている資金も信用もたかが知れている。そうであれば、まずは最も効率の良い投資先である自分の「頭脳」にお金と時間の投資を行おう。積極的な自己投資こそが、大きく人生を変化させていく基盤を築くのだ。
STAGE3 堅実管理型
相変わらず将来への不安はないわけではないものの、その不安を自分自身の力で解決するための行動ができているのがSTAGE3だ。
毎月の支出をコントロールできており、先取り貯蓄など、貯蓄を増やしていくための仕組み化もできている。資産運用についても、パッシブ運用の投資信託や401(k)など、受け身ではあるものの、初めの一歩を踏み出している。
STAGE3は、将来への飛躍に向けて、得意分野を探すためのトライアルSTAGEともいえる。支出を抑えることを最優先にするのではなく、いろいろな経験を「買う」ということを意識したい。
たとえば、トヨタのヴィッツや日産のCUBEといったコンパクトカーに乗っているなら、思い切ってメルセデス・ベンツのCクラスに乗り換えてみる。乗っている車が変われば、自然と行く場所も変わる。ヴィッツでリッツ・カールトンに乗り付けるのには引け目を感じても、ベンツならばそんな必要はない。迎えてくれるポーターからの扱われ方も変わるし、自分の振る舞いも変わる。それがブランドの力だ。
STAGEが低いうちは、ブランド物を買うのは「浪費」になるが、STAGE3になると「投資」にできる。ブランドの力を借りることで、普段は遠巻きに見ているだけの高級ホテルやお店に思い切って行ける。出会う人が変わる。提供されるサービスの質が変わる。その結果、世界が広がり、さらなる成長につながるのだ。
1億円以上の資産を持っている人たちが普段経験している世界を、ベンツの購入代金である500万円で経験できる。その結果、大きく成長できる。そのように視点を変えれば、これが紛れもなく投資であるということが理解できるのではないだろうか。