2020.1.31
主導権をガッチリ握る
誰もが一度は経験したことあるホワイトボードを使ったミーティング。最近日本でも多くの有望なスタートアップ企業が誕生していますが最先端の企業の現場でもホワイトボードが多用されているようです。その理由は、ミーティングで意見がなかなかまとまらない、噛み合わない、意見が出ない、などの問題も解決してくれるからだとされています。だからこそデジタル中心の仕事の進め方が定着した現在においても再評価をされているように感じます。
さて、ホワイトボードを使ったミーティングで板書役の人が、ほぼ確実ミーティングで主導権を握っていることは皆さんも感じているはずです。何故そうなるのでしょうか。改めて観察してみると、一人だけ前に出ていてしかも立ち上がった状態であること。また、自分の意見も含め人の意見も板書することができること。さらには人の話を聞き出すファシリテーターとしてミーティングをリードすることができること。などで自然と主導権を握るチャンスを得ることができるからだと思われます。また、板書の経験が豊富な人は、文字の大きさ、記入する場所を左右で分けたりするなど、参加者をコントロールしつつ主導権をいとも簡単に握ることができます。
このように板書をする人が主導権を握りやすいのですが、誰でも有能な板書者になれるわけではありません。実は3つのコントロール術を身につけていなければ優秀な板書者にはなりません。身につけていないと途中で板書者が交代するようなことや、ただのブレストで終わってしまうこともあります。できる人や企業トップや事業投資家がどのような3つのコントロール、最強のホワイトボード術を身につけているのでしょうか。
アジェンダ・コントロール
アジェンダとはそのミーティングで話す議題のことです。さて、そのアジェンダですが、事前にアジェンダが提案もしくは準備されているミーティングと、その場で参加者の意見を聞きながらアジェンダを出し合うミーティングの2つのスタイルに分けられますが、できる人が仕切るミーティングは、ほぼ事前に準備されたアジェンダで進められています。
その理由の一つ目は、事前に準備されたアジェンダは重要性が高いという認識が浸透し参加者がその時間中に解決しようとすることでミーティング効率が良いからです。人間の本質で重要性が高い案件や期日が近い案件だと頭で認識すると自ずと集中力が増し能力を発揮します。だからこそ、その場で思いついたようなアジェンダで進めるのではなく事前に準備したアジェンダで進めることが大事になります。
二つ目は、アジェンダを記入する順番で参加者の意識を高めるコントロールをします。ホワイトボードにアジェンダを板書することはマストな進行スタイルですが、記入する順列がポイントです。記入されたアジェンダを参加者が見たときに一番最初、一番上にある、もしくは、1という番号をふられているアジェンダを最重要だと感じます。その潜在意識を利用してアジェンダへの集中力を高めます。これを利用するには、やはり事前にアジェンダを準備していないと順列の一番上には板書できないですよね。だから事前に準備するわけです。
プロセス・コントロール
プロセス・コントロール(これは完全に造語ですが)とは、議論の過程を板書しミーティングをコントロールする術です。できる人が仕切るホワイトボードミーティングでは、必ず議論の過程やその場で出た案も記入されていきます。
その一つ目の理由は、出てきた意見や案が仮にその場で不採用になったとしても他のケースや場面で案として使える場合があるからです。せっかく絞り出したその貴重な案を残すことなく却下してしまったり、そもそも板書しないということをできる人は絶対にしません。
二つ目は、合議によって決まったことが明確になるからです。過程を板書することで自然と色々な意見が出され検討されることになります。そのような過程を経て多数の賛成を得て結論に至ったんだということを視覚として参加者全員が捉えていることがとても大切になります。その決定事項に対する参加意識が高まることで、その後の業務遂行にも大きなプラスの影響を与えます。
もし、過程や意見の板書を怠るとミーティングとして認識されずに一方的に決定を伝える場に成り下がってしまい反感を買う危険性があります。
パッション・コントロール
パッション・コントロール(さらに造語ですが)とは、参加者の熱量をコントロールしつつチームビルドを行う術です。
一つ目は、アジェンダに対して提案されたアイデアの横には必ず提案者の名前を板書することです。名前を板書することで提案者であることの自覚を促すこと、また、優れたアイデアとして採用された時に自尊心をくすぐることができるからです。このことで意見やミーティングの活性化が起こり、さらに場の熱量がグッと上がる好循環を生み出します。
二つ目は、アジェンダやアイデアに対して参加者の温度感をはかりつつチームビルドをすることです。そのアジェンダに対してコメントや意見が多い人の立場は、ポジティブな場合とネガティブな場合の両方の可能性があります。まずは、その人のスタンスを把握することが大事で、できる人はミーティングを進めながら冷静にジャッジしています。一般的には、ポジティブ人だけでチームビルドが行われることが多いのですが、できる人は異なったチームビルド法を選好します。それは、ポジティブとネガティブな人を混合させるチームビルドです。実は米国のリンカーン大統領と同じ手法です。リンカーン大統領は、大統領選挙時に政敵だった4人をそっくりそのまま主要閣僚に抜擢しました。それで運営ができるのかと反対の声が多い中での英断でした。南北戦争というとても難しい問題を解決するためには国を一つにまとめ上げなければならず、失敗の許されない状況で生まれた手法でした。できる人も同じ発想です。どうしても押し進めた
い大事なプロジェクトには、会社を上げて意見の異なる人たちをまとめ混合チームを組成し一致団結を図る必要があります。ミーティングで主導権を握りつつ、パッションの高い人と低い人を見極め、最後に双方からメンバーに抜擢するという手段を用いています。
い大事なプロジェクトには、会社を上げて意見の異なる人たちをまとめ混合チームを組成し一致団結を図る必要があります。ミーティングで主導権を握りつつ、パッションの高い人と低い人を見極め、最後に双方からメンバーに抜擢するという手段を用いています。
この会社を巻き込むことができていないプロジェクトは格段にうまくいかない確率が上がります。しかもそのプロジェクトの足を引っ張るような不満分子を生み出す原因になります。
できる人の最強のホワイトボート術は誰でも真似できる内容です。ぜひ、今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。