2017.11.14
『お金原論』という本の命題は、「お金とは何か」ということ。
「お金」という軸を通じて自分自身をニュートラルに見ることができれば、人生をもっともっと楽しめるようになるだろう。
これから毎回、『お金原論』の中身を少しずつ伝えていく。すべてが賛同を得られるものであるという確信はない。しかし、生活や人生と切っても切り離せない「お金」というものについて、1人でも多くの人に「お金とは何か」という議論に加わっていただければ幸いである。
「お金」という軸を通じて自分自身をニュートラルに見ることができれば、人生をもっともっと楽しめるようになるだろう。
これから毎回、『お金原論』の中身を少しずつ伝えていく。すべてが賛同を得られるものであるという確信はない。しかし、生活や人生と切っても切り離せない「お金」というものについて、1人でも多くの人に「お金とは何か」という議論に加わっていただければ幸いである。
お金の悪しき生活習慣
ところで、「生活習慣」と一口にいっても、それは「良い習慣」と「悪い習慣」に区別される。この2つの決定的な違いは何だろうか。
良い習慣とは、自分で「やろう」と決めて意識的に行う習慣を指す。
朝起きたら新聞にくまなく目を通す。健康のために
30分早く家を出て、2つ先の駅までウォーキングする。帰宅したらすぐに念入りにうがい、手洗いをする。ラジオの英会話講座を欠かさず聞く。毎月一定額を先取り貯蓄に回す。健康に悪い影響を与える油っこい食事は避ける。友人の誕生日には必ず手書きのメッセージを添えて贈り物をする。こうした習慣だ。
30分早く家を出て、2つ先の駅までウォーキングする。帰宅したらすぐに念入りにうがい、手洗いをする。ラジオの英会話講座を欠かさず聞く。毎月一定額を先取り貯蓄に回す。健康に悪い影響を与える油っこい食事は避ける。友人の誕生日には必ず手書きのメッセージを添えて贈り物をする。こうした習慣だ。
一方、悪い習慣とは、気分やその時々の欲求に負けて漫然と行ってしまう習慣だ。
起きなければならないのに、目覚まし時計のアラームを止めて二度寝してしまう。目的なくズルズルとネットサーフィンしてしまう。少しの距離でもタクシーに乗ってしまう。健康に悪いとわかっているのにタバコがやめられない。気づけばテレビを何時間も観ている。コンビニに行くと、つい甘いものを買ってしまう。飲みに行くと、ズルズルと2軒、3軒とハシゴしてしまう。
ここからいえることは、良い習慣は意識をしなければ続かないのに対し、悪い習慣は意識をしなければ断ち切れないということだ。意識せずにいると、良い習慣は続かないのに、悪い習慣は続いてしまうというのが常なのである。
悪い習慣を断ち切るのは簡単ではない。なぜならば、習慣には磁力があるうえ、人間はもともと欲求に負けやすい生き物だからだ。
悪い習慣を断ち切るのは簡単ではない。なぜならば、習慣には磁力があるうえ、人間はもともと欲求に負けやすい生き物だからだ。
加えて、人間というものは、頭では「どのように行動することが正しいか」がわかっていても、必ずしも合理的な選択をすることができずに行動にバイアスがかかってしまうものであることは、行動ファイナンスの研究でも実証されている。よほどの聖人君子でない限り、「目の前にあるものがとりあえず欲しい」「少しでも楽をしたい」という本能的な欲求に、無意識には抗えないのが当然なのだ。
心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。
これは、プロ野球選手として活躍した松井秀喜選手の座右の銘だ。もともとは心理学者・哲学者であったウィリアム・ジェイムズの言葉と言われているが、この言葉には非常に説得力がある。
これは、プロ野球選手として活躍した松井秀喜選手の座右の銘だ。もともとは心理学者・哲学者であったウィリアム・ジェイムズの言葉と言われているが、この言葉には非常に説得力がある。